退職者の国民健康保険料の特例

退職者の国民健康保険料の特例

<退職後の健康保険>

退職後の健康保険には、今までの健康保険の任意継続、健康保険加入家族の扶養に入る、国民健康保険に入るといった選択肢があります。

多くの人は、任意継続と国民健康保険とで、保険料の安い方を選択します。

国民健康保険では、会社都合など非自発的離職をした人について、保険料(税)が減額される制度がありますので、対象者には会社から説明しておくのが良いでしょう。

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モデル就業規則の性質と使い方

モデル就業規則の性質と使い方

<モデル就業規則>

「モデル就業規則」は、厚生労働省(労働基準局監督課)がネットに公表しています。

誰でも、無料で使うことができます。

関係法令、通達、行政解釈に準拠していますので、適法な内容であることが担保されています。

必要な項目が網羅されていて、漏れがありませんので、企業の就業規則のひな形として、最適なものだと考えられます。

モデル就業規則の最新版(令和3年4月版)は、令和2年11月現在の関係法令等の規定を踏まえ就業規則の規程例を解説とともに示したものです。

このように、法改正などにもタイムリーに対応しています。

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夫婦共同扶養の扶養家族(健康保険)

夫婦共同扶養の扶養家族(健康保険)

<「通知」の改定>

令和3(2021)年4月30日、厚生労働省保険局保険課長と厚生労働省保険局国民健康保険課長の連名で、夫婦共同扶養の場合の扶養家族(被扶養者)の認定についての通知が発出されました。

これまで、夫婦共同扶養の場合の被扶養者の認定については、昭和60年通知(昭和60年6月13日付保険発第66号・庁保険発第22号通知)が基準となっていました。

ところが、令和元(2019)年に成立した医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律(令和元年法律第9号)に対する附帯決議として、「年収がほぼ同じ夫婦の子について、保険者間でいずれの被扶養者とするかを調整する間、その子が無保険状態となって償還払を強いられることのないよう、被扶養認定の具体的かつ明確な基準を策定すること」が付されました。

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デジタル改革関連法の成立

デジタル改革関連法の成立

<デジタル改革関連法について>

令和3(2021)年3月、内閣官房IT総合戦略室、デジタル改革関連法案準備室、総務省自治行政局は、「デジタル改革関連法案について」の中で、デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針の骨子を次のように示していました。

・デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会 ~誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化~ ・デジタル社会形成の基本原則(1オープン・透明、2公平・倫理、3安全・安心、4継続・安定・強靱、5社会課題の解決、6迅速・柔軟、7包摂・多様性、8浸透、9新たな価値の創造、10飛躍・国際貢献)

<デジタル改革関連法の成立>

政府が提出したデジタル改革関連の6法案が令和3(2021)年5月12日に開かれた参議院本会議で採決され、自民・公明の与党のほか日本維新の会などの賛成多数で可決、成立しました。

成立したのは次の6法です。

1.デジタル社会形成基本法(令和3(2021)年9月1日施行)

 デジタル社会の形成に関し、基本理念および施策の基本方針、国、地方公共団体および事業者の責務、デジタル庁の設置並びに重点計画の策定について規定(IT基本法は廃止)

2.デジタル庁設置法(令和3(2021)年9月1日施行)

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厚生労働省が作成した履歴書の様式例

厚生労働省が作成した履歴書の様式例

<厚生労働省が履歴書の様式例を作成した理由>

履歴書は、主に採用選考で使用されます。

このことからすれば、厚生労働省が履歴書の統一様式を定めても良さそうですが、これまでは独自の様式を定めず、一般財団法人日本規格協会が示していたJIS規格の履歴書の様式例を推奨してきました。

ところが、令和2(2020)年7月に、LGBT当事者を支援する団体から、厚生労働省、日本規格協会等に対して履歴書様式の検討(性別欄の削除等)を求める要請が行われました。

これをきっかけとして、JIS規格の履歴書の様式例全体が削除されました。

このため、令和3(2021)年4月16日、厚生労働省労働政策審議会安定分科会が履歴書の様式例を作成しました。

厚生労働省は、公正な採用選考を進めるため、新たに作成された様式を推奨しています。

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業務災害と解雇

業務災害と解雇

<業務災害>

労働者災害補償保険(労災保険)は、業務上の災害(業務災害)と通勤中の災害(通勤災害)による負傷、疾病、障害、死亡について、被災労働者や遺族を保護するために必要な保険給付を行う公的保険制度です。

通勤災害については、その防止に向けた会社の努力が、安全教育や情報提供などに限定されています。

したがって、業務災害ほど会社の責任が重くはないので、解雇について特別な配慮が必要なケースは稀です。

しかし、業務災害をきっかけに解雇を検討する場合には、配慮すべき点が多いといえます。

故意・重過失による業務災害

会社や上司に対する恨みなどにより、意図して業務災害を発生させた場合には、悪質性が高いですから、被害の程度によっては懲戒解雇を検討することになります。

これは、重過失による業務災害も同様です。

重過失による業務災害とは、結果発生の予測がたやすい場合や、結果発生の回避がたやすい場合に、注意義務に反して結果を発生させた業務災害をいいます。

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懲戒解雇と諭旨解雇

懲戒解雇と諭旨解雇

<懲戒解雇>

民間企業での懲戒は「制裁」を意味します。

労働基準法に「懲戒」という用語はありませんが、「制裁」が「懲戒」の意味で用いられています。〔労働基準法第89条第9号、第91条〕

解雇とは、使用者側から労働契約を解除することをいいます。

ですから懲戒解雇は、制裁としての労働契約解除ということになります。

<懲戒解雇の有効要件>

懲戒を有効に行うためには、就業規則に具体的な規定があること、弁明の機会を与えること、懲戒権の濫用とならないこと、労働基準法の制限内であることなど、多くの条件をクリアする必要があります。

解雇を有効に行うためには、解雇権の濫用とならないこと、労働基準法等が定める禁止規定に触れないことが必要です。

ですから、懲戒解雇を有効に行うには両方の要件を満たす必要があり、かなりバードルが高いことになります。

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フレックスタイム制導入の不安

フレックスタイム制導入の不安

<シフトの不安>

厚生労働省が発行している「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き」には、メリットがある場合の例として、次のようなケースが示されています。

共働きで子育てをする夫婦が、保育園の送り迎えを日替わりで分担している。

・資格取得を目指している人が、月・水・金曜日に学校に通うため早く帰っている。

・通勤ラッシュが苦手な人が、早く帰りたい日に通勤ラッシュ前に出勤している。

・休日にケガをした人が、病院に寄ってから出勤する。

フレックスタイム制が特定の部署の全員に導入された場合、こうしたニーズを抱えた従業員が多いと、まともなシフトが組まれないのではないかと不安になります。

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フレックスタイム制の運用条件

フレックスタイム制の運用条件

<フレックスタイム制のイメージ>

フレックスタイム制では、労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めるので、その労働者は次のように考えるかも知れないわけです。

朝、目覚めたとき「今日は出勤しようか、それとも休もうか」

起きてから「いつ出勤しようか」

家を出て通勤の途中で「やはり映画を観に行こうか」

会社に到着して仕事を始めてから「やる気が起きないから帰ろう」

しかし、これでは仕事が回りません。

労働基準法が、このような制度を法定した筈がありません。

<働き方改革の推進>

平成31(2019)年4月、働き方改革の一環で労働基準法が改正され、フレックスタイム制の清算期間の上限が1か月から3か月に延長されました。

もし、フレックスタイム制が現実離れした使い物にならない制度であれば、廃止されている筈ですが、労働者ひとり一人の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自分で選択できるようにするための制度であり、働き方改革の趣旨に適っているため拡充されたのです。

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所定労働時間と予定労働時間

所定労働時間と予定労働時間

<所定労働時間>

多くの企業の就業規則には、正社員の所定労働時間が1日8時間、1週40時間と定められています。

これは、労働基準法の法定労働時間にならったものです。

ところが、1か月の所定労働時間となると、企業によって大きな開きがあります。

法定時間外労働については、月給を1か月の所定労働時間で割って時間単価を算出し、これに法定時間外労働時間を掛け、さらに2割5分以上の割増をして計算することになります。

いわゆる残業代の計算です。

<予定労働時間>

この所定労働時間とは別に、「予定労働時間」とも呼ぶべき予定された労働時間があります。

これも1日あるいは1週であれば、所定労働時間と同じことが多いものです。

しかし、1か月の予定労働時間は、1日の所定労働時間に予定出勤日数を掛けて算出します。

たとえば、8時間労働で23日出勤であれば、184時間となります(8×23=184)。

これは、カレンダーや企業の休日ルールによって、毎月変動するものです。

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