ミスが多すぎる新人への退職勧奨(退職勧告)

ミスが多すぎる新人への退職勧奨(退職勧告)

<本来は自由な退職勧奨>

「勧奨」は、勧めて励ますことです。「勧告」は、ある事をするように説いて勧めることです。

「退職勧奨」の例としては、「あなたには、もっと能力があると思います。たまたま、この会社が向いていないだけです。他の会社では実力を発揮できるでしょう。退職について真剣に考えてみてください」といった内容になります。

「退職勧告」の例としては、「入社以来ミスが多いことは、あなた自身も残念に思っているでしょう。まわりの社員も、ずいぶん親切に丁寧な指導をしてきましたが、これ以上はむずかしいと思われます。退職を考えていただけますか」といった内容になります。

しかし、「退職勧奨」と「退職勧告」は厳密に区別されず、ほとんど同視されています。

いずれにせよ退職勧奨は、会社側から社員に退職の申し出をするよう誘うことです。これに応じて、社員が退職願を提出するなど退職の意思表示をして、会社側が了承すれば、労働契約(雇用契約)の解除となります。

もちろん、退職勧奨を受けた社員が、実際に退職の申し出をするかしないかは完全に自由です。

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同一労働同一賃金と福利厚生の考え方

同一労働同一賃金と福利厚生の考え方

<同一労働同一賃金>

日本の「同一労働同一賃金」は、仕事ぶりや能力が適正に評価され、意欲をもって働けるよう、同じ企業内で正規雇用労働者(正社員、無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。

欧米で普及している同一労働同一賃金の考え方を日本に普及させるにあたっては、日本の労働市場全体の構造に応じた政策とすることが重要であり、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の待遇の不均衡に焦点が当てられています。

平成28(2016)年12月には、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の待遇差がどのような場合に不合理とされるかを事例等で示す「 同一労働同一賃金ガイドライン案 」が「 働き方改革実現会議 」に提示されました。

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雇い止めに納得しないトラブルに備えて

雇い止めに納得しないトラブルに備えて

<雇い止めとは>

会社がパートやアルバイトなど有期労働契約で雇っている労働者を、期間満了時に契約の更新を行わずに終了させることを「雇い止め」といいます。

一定の場合に「使用者が(労働者からの契約延長の)申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす」という抽象的な規定があります。〔労働契約法19条〕

これは、数多くの裁判の積み重ねによって作られた「雇い止めに関する法理」という理論を条文にしたものです。ですから、雇い止めがこの理論による有効要件を満たしていなければ、裁判では無効とされ、有期労働契約が自動的に更新されることになります。

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就業規則の絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項

就業規則の絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項

<一般的な説明>

就業規則に記載する内容には、必ず記載しなければならない事項(絶対的必要記載事項)と、その事業場で定めをする場合に記載しなければならない事項(相対的必要記載事項)があります。〔労働基準法89条〕

 

【絶対的必要記載事項】

① 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに交替制の場合には就業時転換に関する事項

② 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

③ 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

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知的障害者・精神障害者の懲戒解雇

知的障害者・精神障害者の懲戒解雇

<解雇の意味>

雇い主から「この条件でこの仕事をしてください」という提案があり、労働者がこれに合意すると労働契約が成立します。

労働契約は口頭でも成立します。ただ労働基準法により、一定の重要な労働条件については、雇い主から労働者に対し、原則として書面による通知が必要となっています。

解雇は、雇い主がこの労働契約の解除を労働者に通告することです。

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働き方改革で導入したい1時間単位の年次有給休暇

働き方改革で導入したい1時間単位の年次有給休暇

<年次有給休暇の取得促進>

労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持を図るための年次有給休暇は、その取得率が50%を下回る水準で推移しています。

こうした現状を踏まえ、年次有給休暇取得促進のため、1日単位にこだわらない取得が認められるようになってきています。

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契約自由の原則と同一労働同一賃金との関係

契約自由の原則と同一労働同一賃金との関係

<契約自由の原則>

契約自由の原則は、契約を当事者の自由にまかせ、国家はこれに干渉してはならないとする近代法の原則です。

これには、契約をする自由・しない自由、契約の相手方選択の自由、契約内容決定の自由、口頭か書面によるのかなど方式の自由、契約内容変更・契約解消の自由が含まれます。

契約に関する基本事項を規定している民法に、契約自由の原則を直接規定する条文は無いのですが、90条(公序良俗違反の法律行為の無効)や91条(任意規定と異なる意思表示)などにその趣旨があらわれています。

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企業秘密の持ち出しに対する賠償請求

企業秘密の持ち出しに対する賠償請求

<守秘義務の認識>

社員は、在職中だけでなく退職後にも、労働契約に付随する義務として当然に守秘義務を負っています。

しかし、このことは必ずしも社員一人ひとりに認識されているとは限りません。就業規則に具体的な規定を置くことはもちろん、守秘義務を負う社員からは、入社や異動の際に誓約書を取っておくことをお勧めします。

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社内ルールについて発生するデマ

社内ルールについて発生するデマ

<大阪北部の地震で>

平成30(2018)年6月18日午前8時前に、大阪府の北部で震度6弱の地震が発生しました。

「京セラドーム大阪の屋根に亀裂」「京阪電車が脱線」「シマウマが脱走」「箕面市全域で断水」などのデマが流れ、住民の不安をあおりました。

地域の住民にとっては大変な迷惑なのですが、これを取り締まるのは困難ですし、犯罪として立件するのも至難の業です。

一方、これが会社の中で起こった場合の犯人捜しは割と楽かも知れません。

会社の中で社員についての噂を流し、これが社内に広まった場合には、たとえその噂が真実であったとしても、刑法には次のように規定されていて、名誉棄損罪が成立しうるので注意したいものです。

「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する」〔刑法230条1項〕

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障害者雇用納付金制度の事業所調査

障害者雇用納付金制度の事業所調査

<調査の趣旨>

申告申請の内容が適正であるかを確認するため、毎年度、一定数の事業主が抽出され、訪問調査が行われます。これには、納付金申告を行っていない事業主の申告義務の有無確認が含まれます。

すべての事業主を対象として、毎年調査することはできないため、数年に分けて行われています。事業主から見れば、数年に1回調査が入るということになります。

この調査は、障害者の雇用の促進等に関する法律に基づくものです。〔障害者雇用促進法52条〕

資料の提出拒否や虚偽の報告等は、罰せられることがありますのでご注意ください。〔障害者雇用促進法86条〕

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