「日本は解雇がむずかしい」と言われる理由

「日本は解雇がむずかしい」と言われる理由

<民法の規定>

正社員のように、期間を定めずに雇用した従業員については、「使用者がいつでも解雇できる」と民法が規定しています。

【民法第627条:期間の定めのない雇用の解約の申入れ】

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。 2 期間によって報酬を定めた場合には、使用者からの解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。

一方で、パート社員など、期間を定めて雇用した従業員については、「やむを得ない事由があれば期間の途中でも解雇できる」と規定しています。

【民法第628条:やむを得ない事由による雇用の解除】

“「日本は解雇がむずかしい」と言われる理由” の続きを読む
会社がパワハラ加害者の味方になってしまう問題

会社がパワハラ加害者の味方になってしまう問題

<パワハラの定義>

労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(通称パワハラ防止法)によれば、パワハラとは職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されるものをいいます。〔同法第30条の2第1項〕

<会社が加害者の味方となる理由>

まさに「優越的な関係」がポイントです。

加害者は、直接の被害者よりも、役職が上であったり、社歴が長かったり、知識・技能・経験・成績が優れていたり、会社での評価が高かったりします。

会社側の立場からすれば、加害者にはパワハラの問題はあるものの、気持ち良く働いて会社に貢献し続けて欲しいという思惑があります。

“会社がパワハラ加害者の味方になってしまう問題” の続きを読む
個人情報保護法改正のポイント

個人情報保護法改正のポイント

<法改正の目的>

令和4(2022)年4月、改正個人情報保護法が全面施行されます。

今回の改正目的は「個人の権利利益の保護」、「技術革新の成果による保護と活用の強化」、「越境データの流通増大に伴う新たなリスクへの対応」「AI・ビッグデータ時代への対応」などです。

この背景には、個人情報が多様に利活用される時代になり、リスク対応が急務になっていることがあります。

事業規模に関わらず、事業者が守るべき責務が拡大されました。

<短期保存データの開示等>

6か月以内に消去する短期保存データは、開示、利用停止等の対象外とされていましたが、これも対象に含まれるようになります。

“個人情報保護法改正のポイント” の続きを読む
成年年齢引下げの影響

成年年齢引下げの影響

<民法改正>

令和4(2022)年4月から、民法の改正により、成年年齢が20歳から18歳に引下げられます。

18歳・19歳も法律上は大人の扱いを受け、両親のような法定代理人の同意を得ずに、様々な契約を交わすことができるようになります。

この反面、法定代理人の同意を得ずに交わした契約であっても、未成年者取消権は使えなくなります。

このことから、社内の18歳・19歳の従業員が、悪質商法の被害者となりやすくなることが懸念されます。

会社としても、こうした従業員に対しては、注意喚起しておくことをお勧めします。

<成年になる日>

令和4(2022)年4月1日、一斉に成年になるのは、平成14(2002)年4月2日から平成16(2004)年4月1日までに生まれた人たちです。

“成年年齢引下げの影響” の続きを読む
ソジハラ(SOGIハラスメント)

ソジハラ(SOGIハラスメント)

<男女平等>

かつての男尊女卑は否定され、憲法は平等権を保障しています。

日本国憲法第14条第1項:平等権

すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

これを受けて、労働基準法は男女同一賃金の原則を定めています。

労働基準法第4条:男女同一賃金の原則

使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。
“ソジハラ(SOGIハラスメント)” の続きを読む
傷病手当金の支給期間の通算化 

傷病手当金の支給期間の通算化 

<健康保険法等の改正>

治療と仕事の両立の観点から、より柔軟な所得保障ができるよう「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律(令和3年法律第66号)」により健康保険法等が改正されました。

この改正により令和4(2022)年1月1日から、傷病手当金の支給期間が通算化されるようになりました。

<通算化の意味>

傷病手当金の支給期間が、支給開始日から「通算して1年6か月」になりました。

・同一のケガや病気に関する傷病手当金の支給期間が、支給開始日から通算して1年6か月に達する日まで対象となります。

“傷病手当金の支給期間の通算化 ” の続きを読む
選択的週休3日制の導入目的は働き方改革だけなのか

選択的週休3日制の導入目的は働き方改革だけなのか

<骨太方針2021>

令和3(2021)年6月18日、「経済財政運営と改革の基本方針2021日本の未来を拓く4つの原動力~グリーン、デジタル、活力ある地方創り、少子化対策~」(骨太方針2021)が経済財政諮問会議での答申を経て、閣議決定されました。

この中で、選択的週休3日制について、育児・介護・ボランティアでの活用、地方兼業での活用などが考えられることから、好事例の収集・提供等により企業における導入を促し、普及を図るとしています(23ページ(5)多様な働き方の実現に向けた働き方改革の実践、リカレント教育の充実)。

このことから、政府が選択的週休3日制を推進していくことは間違いありません。

<選択的週休3日制>

選択的週休3日制は、希望する従業員のみ週休3日制(週4日勤務)とすることができる制度です。

全社的に週休3日制とするものではありません。

また非正規社員は、元々勤務日数が少ない場合が多いので、基本的には正社員を対象としたものとなります。

“選択的週休3日制の導入目的は働き方改革だけなのか” の続きを読む
傷病手当金にこだわる従業員への対応

傷病手当金にこだわる従業員への対応

<こだわりの原因>

傷病手当金を受給できないケースであるにもかかわらず、従業員が受給を希望し、会社に協力を求めてくることがあります。

会社から「今回のあなたの場合には、傷病手当金を受給できないので、会社は手続に協力することができません」と伝えても納得せず、受給にこだわることがあります。

これには、次のような理由が考えられます。

・「傷病手当金支給申請書」の用紙を、ネットでダウンロードするなどして従業員自身で準備し、診察した医師に「療養担当者記入用」の「療養担当者が意見を記入するところ」を記入してもらった。記入してもらうのに文書料を負担しているので、これが無駄になるのは嫌だ。また、医師が記入してくれたのだから、傷病手当金をもらえるはずだと思う。

“傷病手当金にこだわる従業員への対応” の続きを読む
ハローワークインターネットサービスの機能充実

ハローワークインターネットサービスの機能充実

<使い勝手の良さが向上>

令和3(2021)年9月21日からハローワークインターネットサービスの機能がさらに充実し、オンラインで受けられるサービスが広がっています。

令和2(2020)年1月6日には、新システムへの切り替えで、ハローワーク窓口、求職者、求人企業での混乱が見られました。

このため、ハローワークインターネットサービスがやや敬遠されていましたが、今回の機能充実はかなり使い勝手の良さをもたらしています。

<求職者向けの機能充実>

機能強化のポイントは次の3点です。

“ハローワークインターネットサービスの機能充実” の続きを読む
24(ニイヨン)協定

24(ニイヨン)協定

<労使協定>

労使協定とは、労働者と使用者との間で締結される書面による協定のことです。

法令に「労使協定」という用語があるわけではなく一種の通称です。

そして、使用者と労使協定を交わす主体は、事業場により2通りに分かれます。

・労働者の過半数で組織する労働組合があるときは、その労働組合

・労働組合が無いとき、あるいは、労働組合があっても労働者の過半数で組織されていないときは、労働者の過半数を代表する者

労働者の過半数を代表する者は、その事業場で民主的に選出されます。

<36(サブロク)協定>

その事業場で、時間外労働(法定労働時間を超える早出、残業)や休日出勤(法定休日の出勤)が全くない事業場を除き、これらについての労使協定を所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。

“24(ニイヨン)協定” の続きを読む