給与を引き下げる場合の注意点

給与を引き下げる場合の注意点

<労働者の同意が得られない場合>

経営状況が悪化した場合などの対応策として、給与の一定割合を将来に向けて一律に減額する措置をとることがあります。

これは通常、労働契約の変更に当たりますから、各労働者の個別的な同意を得て行うことが考えられます。〔労働契約法8条〕

しかし、この同意が得られず、就業規則や労働条件通知書に明記してある給与の額よりも実際に支払われる給与の額が少ない場合は、一部不払いとなり違法となる可能性があります。〔労働基準法24条〕

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<就業規則の不利益変更で合理性が認められない場合>

労働者の同意が得られない場合には、就業規則の変更で対応することも考えられます。

就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効となり、無効となった部分は、就業規則で定める基準によることとされています。〔労働契約法12条〕

したがって、各労働者に支払われる給与の額が就業規則で決定されている場合に、個別の労働契約でこれを下回る額を定めようとする場合には、就業規則の変更を行う必要が出てきます。

この場合には、合理性の要件を満たすことが必要となります。〔労働契約法10条〕

そして、客観的に見て合理的な理由が認められない場合には、やはり一部不払いとなる可能性があります。〔労働基準法24条〕

 

社会保険労務士 柳田 恵一