<出来高払制とは?>
出来高払制とは、労働時間に関係なく出来高に応じて賃金を支払うしくみです。
もし給与のすべてが出来高に比例して支給されるなら、やりがいがあるでしょう。しかし、出来高がゼロなら給与の支給もありません。
<労基法による制限>
これでは労働者の保護に欠けますから、「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない」という規定があります。〔労働基準法27条〕
つまり、基本となる月給、日給、時間給が保障給として設定され、これに加えて出来高に応じた賃金を上乗せするという形でしか、出来高払制は認められていないのです。
<最低賃金法による制限>
しかも、出来高払制の保障給は、最低賃金法の基準を満たしていなければなりません。〔最低賃金法施行規則3条1項5号〕
つまり、最低賃金を上回る保障給に加えて、出来高に応じた賃金を支払うことになるのです。
結局、出来高払制というのは、必ずしも人件費の節約にはならないしくみです。
社会保険労務士 柳田 恵一
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