アルバイトの年次有給休暇

アルバイトの年次有給休暇

<労働基準法の昭和62年9月26日改正>

30年以上も前の話ですが、労働基準法の年次有給休暇について、次のような改正がありました。

・年次有給休暇の最低付与日数を6日から10日に引き上げる。ただし、300人以下の事業場では、3年間は6日、その後3年間は8日とする猶予措置を設ける。

・所定労働日数が少ない労働者に対して「比例付与制度」を設ける。

・労使協定により、年次有給休暇のうち5日を超える部分について、計画的に付与できることとする。

・年次有給休暇を取得した労働者に対して不利益な取扱いをしないようにしなければならないこととする。

<「比例付与制度」とは?>

週4日勤務の労働者でも、所定労働時間が週30時間以上であれば、週5日勤務の正社員などと年次有給休暇の付与日数が同じです。

週4日勤務の労働者で、所定労働時間が週30時間未満の場合や、週3日、週2日、週1日勤務の労働者であれば、週5日勤務の正社員などの付与日数を基準に、次の式で付与日数が計算されます(1日未満切り捨て)。

104pixta_12973610_S

 

正社員などの付与日数×比例付与対象者の週所定労働日数÷5.2

 

この式の中の5.2というのは、正社員などの勤務日数は実態として週5.2日程度だということで定められました。

 

<勤務日数の少ないアルバイトに年次有給休暇が付与されないのは?>

社長が30年以上前の法改正を知らず、就業規則が改定されていないなどにより、アルバイトに年次有給休暇はないと思い込んでいるかもしれません。だとすれば、正社員も最初の年次有給休暇付与日数は6日で運用されているかもしれません。

あるいは、最初から労働基準法を無視して、年次有給休暇付与を考えない会社なのかもしれません。もし、入社にあたって雇い入れ通知書、労働条件通知書、雇用契約書など労働基準法により、労働者への交付が義務づけられている書類が1つもないのなら、年次有給休暇の付与日数は決まりません。なぜなら、所定労働日数がわからないからです。

法改正を無視していると、いつの間にかブラック企業になってしまいます。経営者は、法改正の先取り対応を考えるように心がけたいものです。

 

社会保険労務士 柳田 恵一