同一労働同一賃金とは?

同一労働同一賃金とは?

<同一労働同一賃金推進法>

正式名称は「労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律」です。

平成27年(2015年)9月16日に公布・施行されました。

この法律は「同じ価値の仕事には同一の賃金水準を適用すべき」という同一労働同一賃金の原則に基づき、正社員と派遣社員との賃金や待遇の格差を是正するためにできました。

<法律ができた背景>

国際的に見ればILO(国際労働機関)が、この原則をILO憲章の前文に挙げて基本的人権の一つとしていますし、世界人権宣言の23条は「すべての人は、いかなる差別をも受けることなく、同等の勤労に対し、同等の報酬を受ける権利を有する」と規定しています。

ところが、日本は先進国の中でも、同一労働同一賃金の取り組みで大きく遅れをとっています。そのため、平成20年(2008年)にはOECD(経済協力開発機構)から、正社員と非正規社員との格差を是正するよう勧告を受けてしまいました。

もともと日本企業では「仕事」ではなく「人」を基準に賃金が設定され、「職能給」「年齢給」などの年功序列型賃金が運用されてきました。そして、正社員には終身雇用の慣行がある一方、非正規社員の採用と解雇は弾力的に行われて労働力の調整が図られてきました。このことが正社員と非正規社員の均等処遇を妨げています。

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<今後の見通し>

安倍首相が平成28年(2016年)1月22日の施政方針演説で、「一億総活躍社会を実現するには非正規労働者の処遇を改善し、能力を十分に発揮することが重要である」と述べているので、同一労働同一賃金の推進という方向性は強まったといえます。

ただ、大企業と中小企業、業種間の格差を埋めるのは簡単ではありません。当面は各企業の中で、正社員と非正規社員との格差を是正することに力点が置かれることでしょう。

 

社会保険労務士 柳田 恵一