就業規則などの周知義務

就業規則などの周知義務

<周知とは?>

周知(しゅうち)というのは、広く知れ渡っていること、または広く知らせることをいいます。

「周知の事実」といえば、みんなが知っている事実という意味です。

「就業規則の周知」という場合には、社内の従業員に広く知らせるという意味です。

<会社が周知義務を負っているのは?>

会社は、労働基準法や労働基準法に関連する命令等の要旨、就業規則、労使協定を従業員に周知しなければなりません。〔労働基準法106条1項〕

労使協定というと三六協定(時間外労働・休日労働に関する協定)が有名です。〔労働基準法36条〕

pixta_6947274_S

<周知の方法は?>

従業員に配布する、常時各作業場の見やすい場所に掲示しあるいは備え付ける、パソコンやスマートフォンなどでいつでも見られるようにしておくなどの方法があります。

会社は、労働基準法の要旨も就業規則も周知しなければなりません。ですからたとえば、就業規則に「年次有給休暇は法定通り」と定めたならば、別に労働基準法の年次有給休暇の定めの内容を周知しなければならないのです。

 

<周知しないとどうなる?>

訴訟になれば、周知しない就業規則の効力は否定されます。

たとえ、労働基準監督署に届け出をしていなくても、周知した就業規則の効力は認められます。

もっとも、届け出も義務づけられていますので、怠ることはできません。

 

社会保険労務士 柳田 恵一