<現在の社会保険加入基準>
会社の従業員は、一定の条件を満たした場合、社会保険(健康保険と厚生年金)に入らなければなりません。会社には、入らせる義務があります。
その一定の条件とは次の3つです。
・会社が社会保険の対象事業所(適用事業所)であること
・正社員など正規職員の4分の3以上の労働時間と労働日数があること
・臨時、日雇い、季節的業務で働く人ではないこと
大企業では平成28年10月より、社会保険の加入対象者がさらに拡大されます。
<調査が入り是正を求められると>
目安として、給与・賞与総支給額に対する厚生年金保険料の割合は約18%、健康保険料は都道府県により異なりますが約10%です。
もし、会計検査院の調査などにより、企業が未加入を摘発されると、2年分さかのぼっての保険料支払いとなりますから、(18%+10%)×2=56% という計算で、未加入の従業員の年収の56%を会社が一括で負担することになります。
ここで、保険料は労使折半ですが、直接納付義務を負うのは事業主です。そして、手続きを怠っていれば、従業員からの保険料徴収は困難となりますから、とりあえず会社が全額負担して支払うことになるでしょう。
<マイナンバー制度導入の影響>
マイナンバーが社会保険に導入される目的の一つに、未加入の摘発と是正があります。導入されれば、実地調査を経ずに未加入企業が発見されるようになります。
すると、会計検査院の実地調査により未加入が摘発された場合と同様に、会社に対して是正が求められることになります。
万一、未加入がある場合には、年金事務所の窓口での相談と手続きがお勧めです。直接の相談が不安であれば、社会保険労務士を利用するのも手です。摘発される場合よりも、現実的な対応ができることでしょう。
社会保険労務士 柳田 恵一
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