「常時介護を必要とする状態」の判断基準

「常時介護を必要とする状態」の判断基準

<介護保険法の「要介護状態」>

「要介護状態」とは、身体上・精神上の障害があるために、入浴、排せつ、食事などの日常生活における基本的な動作の全部または一部について、6か月間にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態であって、その介護の必要の程度に応じて厚生労働省令で定める区分(要介護状態区分)のいずれかに該当するものをいうとされています。〔介護保険法7条〕

<「常時介護を必要とする状態」に関する判断基準>

介護休業は2週間以上の期間にわたり、常時介護を必要とする状態にある対象家族を介護するための休業で、常時介護を必要とする状態については、以下の表を参照しつつ、判断することとなります。

ただし、この基準に厳密に従うことにとらわれて、労働者の介護休業の取得が制限されてしまわないように、介護をしている労働者の個々の事情にあわせて、なるべく労働者が仕事と介護を両立できるよう、事業主は柔軟に運用することが望まれます。

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※「常時介護を必要とする状態」とは、次のいずれかに該当するものとする。

1.【第1表】の事項欄の歩行、排泄、食事、入浴および着脱衣の5項目のうち、全部介助が1項目以上および一部介助が2項目以上あり、かつ、その状態が継続すると認められること。

2.【第2表】の行動欄の攻撃的行為、自傷行為、火の扱い、徘徊、不穏興奮、不潔行為および失禁の7項目のうちいずれか1項目以上が重度または中度に該当し、かつ、その状態が継続すると認められること。

 

【第1表】

事項 一部介助 全部介助
歩行 付添いが手や肩を貸せば歩ける 歩行不可能
排泄 介助があれば簡易便器でできる

夜間はおむつを使用している

常時おむつを使用している
食事 スプーン等を使用し、一部介助すれば食事ができる 臥床のままで食べさせなければ食事ができない
入浴 自分で入浴できるが、洗うときだけ介助を要する

浴槽の出入りに介助を要する

自分でできないので全て介助しなければならない

特殊浴槽を使っている

清拭を行っている

着脱衣 手を貸せば、着脱できる 自分でできないので全て介助しなければならない

 

【第2表】

行動 重度 中度
攻撃的行為 人に暴力をふるう 乱暴なふるまいを行う
自傷行為 自殺を図る 自分の体を傷つける
火の扱い 火を常にもてあそぶ 火の不始末が時々ある
徘徊 屋外をあてもなく歩きまわる 家中をあてもなく歩きまわる
不穏興奮 いつも興奮している しばしば興奮し騒ぎたてる
不潔行為 糞尿をもてあそぶ 場所をかまわず放尿、排便をする
失禁 常に失禁する 時々失禁する

 

社会保険労務士 柳田 恵一