<説明が無い場合>
賞与の支給額を明細書で初めて知るという会社も多いようです。
そもそも賞与の金額は、社長が一人で思い悩んで決めたので、説明などできないという場合もあります。
これだと社員は、前回に比べていくら増えた/減ったしか感じません。
多額の経費を賞与に充てたのに、感謝してもらえないのは残念な話です。
<説明のある場合>
賞与の支給額は、基本給を基準に会社の業績を反映した支給月数、個人の貢献度を反映した考課係数を設定して、次のように計算されていれば納得しやすいでしょう。
各社員の賞与支給額=各社員の基本給×支給月数×考課係数
支給月数が多ければ「会社は経営状況が良い」とわかりますし、考課係数が高ければ「私は高い評価を得ている」とわかります。
支給月数が少なかったり、考課係数が低かったりしても、「次こそは!」という気持ちになります。
このことが、社員ひとり一人のやる気に結びつくでしょう。
<具体的な計算方法>
たとえ、社長が一人で考えて決めた支給額であっても、支給月数や考課係数は次の手順で計算できます。
平均的な人事考課の場合の支給月数は、
賞与支給額の総額÷(支給対象者全員の基本給の合計額)=支給月数
賞与から逆算した各社員の考課係数は、
各社員の賞与支給額÷(各社員の基本給×支給月数)=考課係数
こうして、「あなたの今回の賞与は次の計算によって決まりました」と説明できるのです。
各社員の賞与支給額=各社員の基本給×支給月数×考課係数
社長や上司が各社員と面談し、この説明と激励をしてはいかがでしょうか。
社会保険労務士 柳田 恵一
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