「定期健診を受診します」の誓約書

「定期健診を受診します」の誓約書

<健康診断の受診義務>

労働安全衛生法は事業者に対して、年1回の定期健康診断の実施を義務付けています。ただし、深夜業や坑内労働などの特定業務従事者は年2回です。

このことから、労働者は受診することが、間接的に義務付けられていることになります。

 

<誓約書の効力>

会社と労働者との関係で、法令や就業規則、労働契約などで労働者の義務とされている事項があります。こうした事項について、労働者に誓約書を書かせて確認することは違法ではありません。しかし、誓約書によって初めて義務が発生するのではなく、ただ単に確認するだけですから、法的な効力が強まるわけでもありません。

結局、誓約書を書かせることによって、労働者に心理的なプレッシャーを与えているだけのことです。しかし会社によっては、この心理的効果に期待して誓約書を書かせることがあります。

pixta_8390154_s

 

<会社の対策として>

労働者に「定期健診を受診します」という誓約書を書かせただけでは、法的効力がないため、会社の労働者に対する健康配慮義務が尽くされたとは言えません。

そして、労働者が健康診断の受診を拒否しても、会社の労働者に対する健康配慮義務は免除されません。しかも、会社が法定の義務を果たせないことになってしまいます。

そこで、就業規則には健康診断の受診義務を明確に規定しておき、この義務に反して受診しない場合には、人事考課に反映させたり、懲戒処分の対象とすることが有効な対策になると言えるでしょう。

 

社会保険労務士 柳田 恵一