労災保険の請求は労働者が自分でするのか

労災保険の請求は労働者が自分でするのか

<労災保険法による請求人>

労災保険法によると、被災した労働者本人が請求人です。もちろん、労働者が死亡した場合には本人からの請求は無理ですから、その遺族が請求人となります。

この建前から、労災の請求をするかどうかは、被災した労働者本人や遺族が決めることになります。

しかし、労災保険の請求手続きを、建前通りに労働者本人や遺族が行うことには無理があると感じられます。

 

<事業主の義務>

一方で「労働者本人がケガのため、自ら手続きができないときは、事業主は労災保険の請求手続きを手助けしなければならない」「労働者から労災保険の請求手続きに必要な証明を求められたときは、事業主は速やかに必要な証明をしなければならない」という規定があります。〔労災保険法施行規則23条〕

会社に対しては、労災保険の請求手続きに関する証明義務と助力義務が規定されているのです。

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<実務的には>

実際には、会社が労災保険の請求手続きを主導することになります。

多くの会社では、被災労働者に労災保険の手続きについて説明したり、請求書の記入をその大半の部分で代行したり、被災者に代わって労働基準監督署に請求書を提出するなど、ほとんどの手続きを行っています。

実際に、手続きを本人任せにしていると、所轄の労働基準監督署の労災課から「きちんと手続きを主導しなさい」という指導が入ることになります。

 

社会保険労務士 柳田 恵一