給与を手取り額で決めてしまうと大変なことに!

給与を手取り額で決めてしまうと大変なことに!

<給与からの控除>

基本給の他に、通勤手当、残業手当、その他の手当があれば、それらを合計して給与の総支給額となります。

しかし、この総支給額がそのまま従業員に支給されるわけではありません。

総支給額を基準に、厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料が決まり、これらが控除されます。40歳になれば、介護保険料も加わってきます。

また、総支給額から通勤手当を差し引いた金額を基準に、所得税と住民税が控除されます。ただし、一定の基準を超えれば通勤手当にも課税されますし、住民税は入社の翌年か翌々年の6月からの控除となることが多いのです。

こうして、いろいろ控除された残りが手取り額となります。

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<入社にあたっての給与の決定>

入社時の給与を手取り額で決めておけば、その後の生活も安心です。

しかし、手取り額から基本給を逆算するのは容易ではありません。所得税や住民税は、扶養家族の状況によっても変わるものです。

さらに、深夜労働がある場合や、残業代込みの場合にはもっと複雑です。

 

<深夜労働がある場合>

夜間に営業する飲食店などでは、午後10時から翌日午前5時の間に勤務時間が含まれるのが通常です。そして、この時間帯は深夜手当として25%以上の割増賃金が発生します。

深夜手当の計算基礎は、基本給に一定の手当を加えた金額ですから、基本給とも総支給額とも違う金額になるのが通常です。

基本給を手取り額から逆算する場合には、この深夜手当も計算に入れる必要があります。このとき、休憩をどの時間帯に取るかによっても計算が変わってきます。

 

<残業代込みの場合>

残業代込みで手取り額を設定する場合には、定額残業代についてきちんとしたルールを定め、正しく運用しなければ違法になってしまいます。

残業代の計算基礎は、深夜手当と同額になります。

 

<給与の決定は基本給と手当で>

結局、給与を手取り額で決めてしまうと大変です。やはり、基本給と手当で決定し、手取り額についてはご本人に計算していただくのが良いでしょう。

 

社会保険労務士 柳田 恵一