懲戒処分のバランス3(自社にとっての損害)

懲戒処分のバランス3(自社にとっての損害)

<損害の大きさに見合った処分>

社員の不都合な行為によって会社が被る損害としては、業務の妨害、取引の不正、欠勤・遅刻・早退、金銭・備品・設備の損失、取引関係の支障、金融機関・取引先・顧客の信用低下、社員の安全侵害(ハラスメントを含む)、情報の不足、誤った情報の伝達など、実に多くの種類があります。

そして同じ種類の損害でも、損害が大きいほど重い懲戒処分が検討されることになります。

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<会社により違う評価>

すべての損害が金銭に換算できるわけではありません。ですから、「損害の大きさ」といっても、異なる種類の損害の間で大小を比べるのは困難です。

また、会社の方針が「お客様第一」の場合と、「会社の利益第一」の場合とでは、同じ行為に対する評価が変わってきます。

さらにたとえば、社員がトイレに入り手を洗わずに出てきた様子をお客様に見られたとします。その社員が飲食店の店員であった場合には、靴屋の店員の場合よりも会社のダメージが大きいことは明らかです。飲食店は靴屋よりも、衛生・清潔を徹底することが求められているからです。

つまり、損害の大きさに見合った処分を行うというときの「損害の大きさ」は、客観的に決まっているものではなく、その会社や職場ごとにある程度主観的に決めなければならないものです。

就業規則は、ひな形をベースにして作る場合でも、自社に合うように修正することが必要なのですが、特に懲戒規定についてはオーダーメイドに近い大幅な修正が必要になるということです。

 

社会保険労務士 柳田 恵一