懲戒処分のバランス7(信賞必罰)

懲戒処分のバランス7(信賞必罰)

<信賞必罰とは>

信賞必罰という言葉があります。賞すべき功績があれば必ず賞を与え、罰すべき罪を犯したら必ず罰するという意味です。つまり賞罰を厳密に行うということです。

そして、どの会社の就業規則にも、懲戒規定と表彰規定があるでしょう。しかし、懲戒既定は何十行もあるのに、表彰規定はほんの数行しかないということが多いのです。

さて、懲戒と表彰は全くの別物なのでしょうか。

 

<懲戒処分の目的>

社員を懲戒する目的の一つに、懲戒対象となった社員に反省を求め、その将来の言動を是正することがあります。たとえば、遅刻を繰り返す社員に懲戒処分を行ったとします。懲戒処分を受けた社員には、深く反省し、二度と遅刻しないように注意することが期待されています。

しかし、懲戒処分の目的はこれだけではありません。「遅刻は悪いことです。皆さん気をつけましょう」という会社の意思を表明し、社員一般に遅刻しないよう呼びかけているのです。

これと同じ目的を達成することは、長年にわたり無遅刻無欠勤の社員を表彰することによっても可能です。「遅刻しないのは良いことです。皆さんも見ならいましょう」という会社の意思を表明することができるのです。

同じ目的を達成できるのであれば、懲戒処分よりも表彰の方が気持ち良いものです。

 

<懲戒と表彰のバランス>

懲戒処分が連続したのでは、社員の気持ちが暗くなってしまいます。同じ目的を達成できるのであれば、表彰も同じくらいの回数、実施したいものです。

とはいえ、人命救助など限られたことだけを対象としていたのでは、表彰の機会は生まれません。積極的に社内キャンペーンなどを行い、表彰の回数を増やしてはいかがでしょうか。

 

社会保険労務士 柳田 恵一