<パワハラ教育の充実>
パワハラ防止のための社員教育が、中小企業でも進んできています。そうした中で、昔のことについて「あの行為はパワハラだったのではないか」という疑問も出るようになってきています。
昔のパワハラ行為を、懲戒処分の対象とすることはできるのでしょうか。
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月: 2017年8月
<パワハラ教育の充実>
パワハラ防止のための社員教育が、中小企業でも進んできています。そうした中で、昔のことについて「あの行為はパワハラだったのではないか」という疑問も出るようになってきています。
昔のパワハラ行為を、懲戒処分の対象とすることはできるのでしょうか。
<入社日と初出勤の日>
入社日は勤務先に籍を置くこととなった日です。そして、初出勤は初めて出勤することをいいます。
正社員であれ、パートやアルバイトであれ、必ずしも入社日に初出勤というわけではありません。
たとえば、平成29年の4月は1日が土曜日でしたから、新卒採用の入社日が4月1日で、初出勤は月曜日の4月3日という新人も多かったようです。
<少子化対策の強化>
育児・介護休業法が改正され、平成29年10月1日より施行されます。
今回の改正も、国の少子高齢化対策の継続的強化の一環として行われるものです。
その目的は、保育所などに入所できず退職せざるを得ない事態を防ぎ、育児をしながら働く男女労働者が育児休業などを取得しやすい職場環境づくりを進めることにあります。
<残業の性質>
残業は、会社が社員に命じて行わせるものです。
少なくとも、部下が残業の必要性を上司に打診し、これを受けて上司が部下に命ずるという形でなければ、残業は発生しない性質のものです。
<マタハラ(マタニティーハラスメント)の定義>
マタハラとは、職場での上司や同僚からの、妊娠・出産したことに関する言動や、育児のための制度の利用に関する言動により、妊娠・出産した女性労働者や育児休業等を申出・取得した男女労働者等の就業環境が害されることをいいます。
対象者は、女性に限られず、父親となった男性も含まれます。
<懲戒処分の有効要件>
懲戒処分が有効とされるには、多くの条件を満たす必要があります。
できてから10年足らずの法令ですが、労働契約法には次の規定があります。
<法改正の動向>
少子高齢化対策は国が力を入れている政策ですから、関連する法令の改正が急速に進んでいます。
そのため、ついこの間まで適法だったことが、いつの間にか法令違反となっていることもあります。
<被害者への悪影響>
被害者はパワハラを受けたことにより、その職場にいられなくなることがあります。そこまでいかなくても、個人の能力の発揮が妨げられます。
我慢していると、うつ病や対人恐怖症などの心理的後遺症が残り、長期にわたって回復しないこともあります。この場合、再就職が困難になります。
<同じ解雇でも>
懲戒解雇は、就業規則や雇用契約書、労働条件通知書などに具体的な規定が無ければできません。
しかし普通解雇は、こうした規定が無い場合でも、次に示す民法の規定が適用されるので、一定の条件を満たせば可能です。
<定額残業代の失敗による打撃>
残業が少なくても定額の残業代が保障されていれば、社員は早く仕事を終わらせてプライベートを充実させようとします。早く帰って、自主的に学んだり、仕事の仕方を工夫したり、会社に言われるまでもなく努力します。これによって生産性が向上するのは、本人にとっても会社にとっても大きなメリットです。