<入社日と初出勤の日>
入社日は勤務先に籍を置くこととなった日です。そして、初出勤は初めて出勤することをいいます。
正社員であれ、パートやアルバイトであれ、必ずしも入社日に初出勤というわけではありません。
たとえば、平成29年の4月は1日が土曜日でしたから、新卒採用の入社日が4月1日で、初出勤は月曜日の4月3日という新人も多かったようです。
<労務管理上の基準日>
健康保険、厚生年金、雇用保険などの保険関係は、入社日に加入することになります。
かつては、試用期間が終わって本採用の時に加入するという誤った運用も見られましたが、基準を満たしている限り、試用期間の初日に加入するのが正しいわけです。
これを後から修正するには、保険料もまとめて納付しなければならず、会社にとっても社員にとっても大きな負担となりますから、遅れずに手続きしましょう。
年次有給休暇は、法定通りであれば入社日から6か月後に付与されます。これも、試用期間があれば、試用期間の初日から6か月後に付与されることになります。
<入社日と初出勤の日が離れている場合>
入社日に社会保険(健康保険・厚生年金)に加入すると、その月の保険料も発生します。ところが、入社から初出勤まで間が空いてしまうと、就業規則によっては、その間の欠勤控除が発生する場合があります。その結果、社会保険料を給与から控除すると、マイナスになってしまうことがあります。これは違法なことではありませんが、保険料を別途支払ってもらうなど、予めルールを定めておくと良いでしょう。
年次有給休暇は法定通りであれば、入社日から6か月間の出勤率が8割以上の場合に付与されます。入社から初出勤までの期間が長く、この間を欠勤扱いにしてしまうと、出勤率の点で不利になってしまいます。会社側の都合でこうした現象が発生するのであれば、入社日から初出勤まで、出勤率の計算のうえでは出勤扱いにするなどのルールを設けておくと良いでしょう。
社会保険労務士 柳田 恵一