<報告書の負担>
報告書の作成には、個人差はあるものの、それなりの時間がかかります。
報告書の無駄を省くことは、会社にとって人件費の削減となり、生産性が向上し、一方で社員のストレス軽減となります。
つまり、メンタルヘルス対策にもなるのです。
<報告書の種類>
日報、週報、月報という時間の区切りにより内容が異なってきます。日報は一番負担が重く、人件費がかかります。月報は負担が軽い一方で、情報の伝達が遅くなる可能性があります。
本当に毎日の報告が必要なのか、毎週の報告が必要なのか、項目ごとに見直しをかけてみましょう。
<報告書の内容>
そのタイミングで数字は必要か、翌日ではダメなのか、感想は必要か、事実だけではダメなのか、見直すポイントが最も多いのは報告書の内容です。
その内容が必要だとしても、その報告書の中に必要なのか、別の報告書に移した方が良いのではないかを検討してみましょう。
<手書きかパソコンか>
パソコンを使って報告書を作成するのが主流となっています。
しかし、手書きなら30分で作成できる報告書を、パソコンで3時間かけて作っていたら、おそらく無駄な残業時間が発生しています。なにより、本人のストレスが半端ではありません。
どうしてもパソコンが苦手な社員には、手書きで報告書を作成させましょう。メールで送信する必要があるのなら、誰かがスキャンしてメールに添付すれば良いだけです。
<報告書作成の時間帯>
営業社員などが帰社後に報告書を作成するパターンは多いものです。しかし、翌日や翌々日の空き時間に作成させてはダメなのでしょうか。
帰社後に報告書を作成させたら、その時間は丸々労働時間になります。「営業手当」を支給しているから残業代を支払わないというのは、基本的に労働基準法違反です。
<報告書作成のための教育>
短時間で優れた報告書を作成できるよう、社員教育も大事です。教育にお金と時間をかければ、何倍にもなってかえってきます。
「飢えた人に魚を与えれば、一日の飢えから救うことができる。代わりに魚の釣り方を教えれば、一生の飢えから救うことができる」という名言があります。
人手不足の時代には、どうしても社員教育が後回しになります。しかし、これでは会社の成長が望めません。
人手不足の対策としても、一人ひとりの能力向上は重要です。
社会保険労務士 柳田 恵一