有期契約労働者の無期転換と同一労働同一賃金

有期契約労働者の無期転換と同一労働同一賃金

<有期契約労働者の雇用の安定>

労働契約法18条の規定により、平成30年4月1日以降、無期契約労働者に転換できる権利を取得する有期契約労働者が多数生じます。

定年の他に期限のない労働契約に転換することによって、雇用が安定するという効果が見込まれています。

ただし、希望しない有期契約労働者は、転換権を使わないことも自由です。

<有期契約労働者の賃金の改善>

日本での同一労働同一賃金は、当初は「職務内容が同一である労働者には同一の賃金を支払う」という言葉通りの意味でした。

ところが現在では、非正規労働者の公正評価・処遇の意味に移行してきています。

しかも、労働政策審議会の建議報告書によれば、同一労働同一賃金法案による救済対象から、フルタイムの無期契約労働者が外されています。

 

<予想される事態>

有期契約労働者の無期転換申込に対する企業側の対応は、2018年問題として進められてきました。

しかし、同一労働同一賃金法案がこのまま成立した場合、フルタイムの有期契約労働者が無期転換すると、これらの人にとって不利になってしまう可能性があります。ですから、フルタイムの有期契約労働者は、無期転換権を使わず有期契約のままにしようと考えるでしょう。

結局のところ、パートタイムの有期契約労働者のみが無期に転換する傾向が強く現れることになると予想されます。

各企業は、法案の行方を追いつつ、自社の現状をにらんで対応を進めて行かざるを得ない状況にあります。

今後の同一労働同一賃金法案の動向に注目しましょう。

 

社会保険労務士 柳田 恵一