労働基準法で最も重い罰則の強制労働とは

労働基準法で最も重い罰則の強制労働とは

<労働基準法の規定>

労働基準法5条は強制労働を禁止し、次の罰則規定を置いています。

 

第百十七条 第五条の規定に違反した者は、これを一年以上十年以下の懲役又は二十万円以上三百万円以下の罰金に処する。

<強制労働の意味>

「今どき強制労働なんて」と思われてしまうかもしれません。「強制労働」というと、ピラミッド建設に駆り出される奴隷のようなイメージを抱いてしまうのでしょう。

しかし、労働基準法の規定を見ると、次のように書かれています。

 

(強制労働の禁止)

第五条 使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。

 

ここにいう「不当に拘束する手段」には、長期労働契約(14条)、労働契約不履行に関する賠償予定(16条)、前借金相殺(17条)、強制貯金(18条)などがあります。〔昭和63年3月14日基発第150号通達〕

※カッコの中の「〇条」というのは、労働基準法の条文を示しています。

 

<辞めさせてくれない会社>

自分の勤務先がブラック企業であることに気づき、退職を申し出たけれども辞めさせてもらえないという労働相談が増えています。

辞めさせてもらえないというのは、具体的には「辞めるなら違約金を支払え」と本人や身元保証人に迫るようです。

これなどは、労働基準法16条の「労働契約不履行に関する賠償予定」があることを示していて、「退職するな。働き続けろ」というわけですから、強制労働の禁止に違反していることになるでしょう。

 

社会保険労務士 柳田 恵一