年齢にかかわらず期待できる教育の効果

年齢にかかわらず期待できる教育の効果

<生まれ変わる脳の神経細胞>

コロンビア大学の研究グループが、科学雑誌「セル・ステムセル」に、常識を覆す研究成果を発表しました。

これまで、脳の神経細胞は大人になると増えることはなく、死滅する一方であると言われてきました。

ところが研究によると、高齢者になっても、認知機能や感情に関わる「海馬」という部分に、新しい細胞が生まれていることが判ったというのです。

<働き方改革との関係>

少子高齢化による労働力不足から、働き方改革が急務となっています。

働き方改革の公式定義は見当たりませんが、「企業が働き手の必要と欲求に応えつつ生産性を向上させる急速な改善」であると考えられます。

高齢者の雇用を継続し、また再雇用を促すために、機械化を進めたり環境を整えたりすることは、高齢者の必要と欲求に応える対策ですから、労働者の頭数を増やすことに役立ちます。

しかし、こうした物理的な面だけに注目するのではなく、教育や研修によって、ひとり一人の能力を高めることも考えたいものです。

いくつになっても、教育や研修によって、その能力を開発できるということが、コロンビア大学の研究によって明らかにされたといえるでしょう。

 

<人手不足の解消とは>

人手不足となると、労働者ひとり一人の負担が増えますから、長時間労働となる傾向が見られます。

ところが、政府は「働き方改革」の一環として、長時間労働の解消に向け、時間外労働に上限を設けて、違反企業には罰則を科す法案を準備しています。

もし各企業が、これに対応するため、採用を強化して社員数を増やそうとすると、企業間で人材の取り合いとなるため、人件費の高騰が懸念されます。

「人手不足」というのは、「労働力不足」であって、頭数不足ではないのですから、高齢者に限らず、教育や研修に力を入れて生産性を高めるように取り組むのが得策だと思われます。

 

ある仕事を、4人の社員が1人10時間でこなしていたとします。この仕事は、のべ40時間かかることになります。そこで、同程度の能力をもった人を1人採用して、5人でこなせば1人8時間でこなせるようになります。この場合、時間外労働が解消して、割増賃金が発生しないので、頭数が25%増えても人件費は増えない計算になります。

しかし、4人の社員に対して積極的に教育と研修を行い、今まで10時間かかっていた仕事を8時間でこなせるようにすれば、新人を採用しなくても良いという計算になります。

これは、あくまでも計算上の話ではありますが、人手不足の時代だからこそ「利は教育にあり」といえるでしょう。

 

社会保険労務士 柳田 恵一