人事考課制度の弊害

人事考課制度の弊害

<人事考課制度の効用>

人事考課制度が無ければ、有能な社員ほど、きちんと評価してもらえないことに対する不満が大きくなりますから退職に向かいます。

反対に、自己啓発をせず会社に貢献する気も無い社員は、人事考課によって不利な扱いをされませんから居心地が良いわけです。

こんなことでは会社に将来性はありませんから、人事考課制度は会社にとって必須のものといえるでしょう。

しかし、導入による弊害もあるのです。

<パワーハラスメントの恐れ>

「職場の優位者が劣位者に対して仕事上接する際に必要以上に人権を侵害しうる行為」

これがパワハラです。

考課者は評価対象者よりも優位に立ちます。そのため、偉くなったような気になり、平気で評価対象者の人格を傷付けるような言動に走るようなこともあります。

このことを考課者自身が自覚して慎む必要があります。

評価対象者は、自分を評価する人が誰であるかを知っていますから、考課者から気に入ってもらおうとして、妙にへりくだった態度を取ることがあります。

考課制度の導入にあたっては、仕事ぶりを評価しているのであって、考課者の好き嫌いで評価するのではないことを説明しておく必要があります。

 

<改善提案や意見が出なくなる恐れ>

人事考課制度に対して極端に臆病な社員もいます。

「何もしなければ悪い評価はつかないのではないか」「下手に動いて墓穴を掘るのは損だ」と考えてしまいます。

すると、仕事についての改善提案や会社を良くするための意見が出て来なくなる恐れがあります。

これを防ぐためには、その内容にかかわらず、改善提案や積極的な意見がプラスに評価される仕組みにすること、提案や意見が無いとマイナス評価になることを評価対象者に説明しておくことが大事です。

 

社会保険労務士 柳田 恵一