月: 2020年2月

取締役の労働時間管理

取締役の労働時間管理

<委任契約>

取締役は、会社との間で委任契約を結んでおり、会社経営や業務執行の意思決定を担当します。

 

【会社法第330条:株式会社と役員等との関係】

株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。

 

【民法第643条:委任】

委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。

 

一般の従業員は、会社との間で労働契約(雇用契約)を結んでいますから、労働者として労働基準法などによる保護を受けています。

しかし、取締役は労働者ではありませんから、労働基準法など労働者を保護する法令の適用がないのです。

また、会社の「就業規則」も適用されず、「役員規程」に基づいて経営に携わることになりますが、この「役員規程」は「就業規則」と異なり、所轄の労働基準監督署長への届出も不要です。

“取締役の労働時間管理” の続きを読む

障害者特例給付金の新設

障害者特例給付金の新設

<障害者特例給付金>

特に短い時間であれば働くことができる障害者である労働者を雇用する事業主に対する支援として、新たに「特例給付金」が支給されることになりました。

令和2年度の雇用実績を踏まえ、申請は令和3年度からとなります。

令和2年度中に事業を廃止等した場合は、事業を廃止した日から45日以内に申請する必要があります。

 

<支給対象障害者>

次のすべての条件を満たす障害者が、支給対象障害者となります。

・障害者手帳等を保持する障害者

・1年を超えて雇用される障害者(見込みを含む)

・週所定労働時間が10時間以上20時間未満の障害者

“障害者特例給付金の新設” の続きを読む

人事考課によるパワハラ

人事考課によるパワハラ

<人事考課権の濫用>

人事考課権者が、不当に低い評価をすることがあります。

好き嫌いによって恣意的に、あるいは懲らしめるために意図的に、低い評価をするような場合が考えられます。

必要な業務に伴って、不必要な人権侵害を行うのがパワハラです。

人事考課そのものは必要なことですが、不当に低い評価を行うことによって、対象者の給与・賞与や昇進・昇格に不利益が及べば、それは財産権や名誉権などの侵害となりますから、パワハラとなることは明白です。

これが一次考課者によって行われた場合には、二次考課者や最終考課者などが修正することも多いでしょう。

しかし、最終考課者が行ったような場合には、過去の慣行に反して明らかに不当であるとか、根拠が示されていないなどを指摘できない限り、社員からパワハラを主張することは困難です。

この場合には、経営者によって不当な評価が行われる会社として、世間の批判にさらされ、会社そのものが淘汰されていく結果を招きかねません。

“人事考課によるパワハラ” の続きを読む

営業ノルマの適法性

営業ノルマの適法性

<営業ノルマの意味>

営業ノルマは、企業が部門ごと、あるいは個人ごとに設定する、売上や成約件数などの目標です。

目標を設定することで、モチベーションを維持することができ、管理もしやすくなります。

営業ノルマが、単なる目標値として掲げられているだけであれば、基本的には法的な問題を生じません。

しかし、企業が営業ノルマ達成に熱心なあまり、違法行為が発生してしまうことがあります。

 

<営業ノルマとパワハラ>

経営者や部門長から、各社員に向けて過剰な叱咤激励が行われ、個人の人格権が侵害されれば、パワハラとなってしまいます。

ましてや、ノルマを達成できない社員を叱りつけることは、行き過ぎた態様で行われやすく、パワハラとなる危険性が高まります。

民事上の不法行為に止まらず、犯罪が成立することもありますから、十分に注意が必要です。

“営業ノルマの適法性” の続きを読む

子の看護休暇・介護休暇が1時間単位に

子の看護休暇・介護休暇が1時間単位に

<改正の内容>

令和3(2021)年1月1日から、育児・介護休業法施行規則等の改正により、子の看護休暇・介護休暇が1時間単位で取得できることとなります。

 

【現行の制度】

・半日単位での取得は可能

・1日の所定労働時間が4時間以下の労働者は取得できない

 

【改正後】

・1時間単位での取得が可能

・全ての労働者が取得できる

 

労働者からの申し出に応じ、労働者の希望する時間数で取得できるようになります。

“子の看護休暇・介護休暇が1時間単位に” の続きを読む

社内での身だしなみ規制

社内での身だしなみ規制

<本来は自由な身だしなみ>

髪型や服装などの自由については、憲法第13条が根拠とされます。

 

【日本国憲法】

第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

 

「個人として尊重される」のですから、各個人の個性が尊重されるわけです。

また、個人的事柄について、公権力(国や学校など)から干渉されることなく、自ら決定することができる権利として自己決定権が認められています。

そして、髪型、髪の色、ひげ、アクセサリー、服装などを決定する自由も、個人的事柄について自ら決定することですから、自己決定権として保障されていることになります。

“社内での身だしなみ規制” の続きを読む

勤務中のスマホ私用禁止

勤務中のスマホ私用禁止

<スマホの私用と経費>

会社が支給し経費を負担しているスマホは、業務用なので業務のみに使用するのが原則です。

また、私物のスマホを、個人の負担で業務に使用することは、少なくとも経費の面では、会社の負担を軽減することになり、容認されやすい傾向にあります。

しかし、いずれの場合にも、スマホの私用は無駄な人件費が発生するので否定的に考えられています。

たとえ私物のスマホであっても、勤務時間中にプライベートな使用をすることは、その時間だけ仕事をしていないことになり、職務専念義務違反にもなりますし、人件費の無駄は明らかです。

 

<情報漏洩リスク>

スマホの私用は、会社の情報が漏洩するリスクを伴います。

アルバイトが、職場のふざけた様子をSNSにアップし、売上や顧客の減少をもたらす事件は無くなっていません。

場合によっては、閉店や廃業の結果をもたらすことさえあります。

行為者には、会社の情報を漏洩する意識が希薄です。

仲間内でのウケを狙って、ふざけた写真などを投稿するのですが、仲間の範囲を超えて流出し、世界中にばらまかれて、予想外の結果を生じてしまうわけです。

“勤務中のスマホ私用禁止” の続きを読む