報連相が足りない社員への指導

報連相が足りない社員への指導

<メタ認知>

報連相が足りない社員には、メタ認知の不足が目立ちます。

メタ認知とは、自己の認知の在り方を認知することです。

平たく言えば、自分の感情や思考のクセを把握することです。

これをするためには、自分自身を客観視することが必要です。

メタ認知によって、「月曜日の午前中は悲観的な判断をしがちだ」「金曜日の午後は冷静な判断ができない」「物事を説明する時、たとえ話をしたくなるが、かえって解りにくくしている」など、自分のクセが分かります。

 

<クセの補正>

会社組織で働くからには、自分自身を客観視して、クセを補正する必要があります。

社員の皆さんは、無意識のうちにこれを行っていると思います。

月曜日の午前中に悲観的な判断をしやすいのであれば、判断を午後に先送りするとか、一段楽観的な判断を下すようにして補正します。

金曜日の午後に冷静な判断ができないのであれば、午前中に結論を出しておくとか、他の社員と協議して結論を下すようにして補正します。

たとえ話が下手であれば、そもそも、たとえ話をしないように心がけます。

<プライベートとの違い>

自分としては、きちんと報連相を行っているのに、他の社員たちから「情報が足りない」という不満が出ているとします。

本人にとって、この不満は意味不明ですし大変不快です。

しかし、必要な情報の範囲は、情報の送り手が決めるものではありません。

情報の受け手が決めるものです。

たしかに、プライベートであれば、送り手が送りたい情報を送ることも、受け手が読みたい情報を読むことも、大幅に許されてしまうでしょう。

ところが、これが仕事となると、送り手は受け手が必要とする情報を送り、受け手は読み落としの無いように全てを読んで理解しなければなりません。

報連相が足りない社員は、プライベートとの違いが理解できていないのかも知れません。

 

<現実的な改善方法>

報連相が足りない社員に対して、上司や先輩社員は、報連相の内容について足りない項目や、報連相そのものが足りないことを指摘するでしょう。

しかし、具体的な報連相のタイミングや必要十分な項目の習得は、決して容易ではありません。

では、報連相の不足を指摘された社員は、どうしたら良いのでしょうか。

どうすれば、情報の受け手に必要な情報の範囲を決めてもらえるでしょうか。

そのためには、「今はまだ必要ない」と思っても可能な限り早く報連相を行うことです。

また、「ここまでは必要ない」と思うことでも、範囲を広げてすべてを報連相の対象とすることです。

何故かというと、報連相が足りない社員の想定する必要な情報の範囲は狭く、他の社員が想定する必要な情報の範囲の方が遥かに広いからです。

そして、受け手から「ここまでは要らない」と指摘されたら、次回から修正すれば良いのです。

ただし、これを実行するには、上司や先輩社員が不必要な情報発信に対して、否定的な態度を示さないことが前提となります。

 

<具体的な指導内容>

報連相が足りない社員に対して、上司や先輩社員が、報連相の不足を指摘するのは迂遠になってしまいます。

「報連相の対象となることが少しでもあれば、すぐにすべての報連相を行いなさい」というのが、実践的な指導内容となります。

 

社会保険労務士 柳田 恵一