月: 2020年9月

三六協定の勘違い

三六協定の勘違い

<残業制限と三六協定>

会社は従業員に、1日実働8時間を超えて働かせてはなりません。また、日曜日から土曜日までの1週間で、実働40時間を超えて働かせてはなりません。〔労働基準法第32条〕

この制限に違反すると、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます。〔労働基準法第119条〕

ですから、基本的にこの制限を超える残業は「違法残業」ということになります。

しかし会社は、労働組合や労働者の過半数を代表する者と書面による協定を交わし、これを労働基準監督署長に届け出た場合には、協定の定めに従って1日8時間を超え、また週40時間を超えて従業員に働かせても罰せられないのです。

このことが、労働基準法第36条に規定されているため、ここで必要とされる協定のことを三六協定と呼んでいます。

この三六協定は、社内で人事の仕事に関わらない人にも知られている有名な労使協定です。

ところが、人事部門の担当者でも思わぬ勘違いをしていることがあります。

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三六協定のうっかり違反

三六協定のうっかり違反

<残業制限と三六協定>

会社は従業員に、1日実働8時間を超えて働かせてはなりません。また、日曜日から土曜日までの1週間で、実働40時間を超えて働かせてはなりません。〔労働基準法第32条〕

この制限に違反すると、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます。〔労働基準法第119条〕

ですから、基本的にこの制限を超える残業は「違法残業」ということになります。

しかし会社は、労働組合や労働者の過半数を代表する者と書面による協定を交わし、これを労働基準監督署長に届け出た場合には、協定の定めに従って1日8時間を超え、また週40時間を超えて従業員に働かせても罰せられないのです。

このことが、労働基準法第36条に規定されているため、ここで必要とされる協定のことを三六協定と呼んでいます。

ところが、所轄の労働基準監督署長に三六協定書を届け出て、その控えを会社に保管し、社内に周知していても、労働基準法違反となってしまうことがあります。

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新型コロナウイルス感染症拡大防止チェックリスト

新型コロナウイルス感染症拡大防止チェックリスト

<チェックリストの公表>

厚生労働省は、令和2年8月7日、労使団体や業種別事業主団体などの経済団体に対し、改訂された「職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト」などを活用して職場における感染予防、健康管理の強化を図ることを、傘下団体などに向け周知するよう、再度協力を依頼しました。

令和2年4月17日、5月14日に引き続き3回目となる今回の協力依頼は、新型コロナウイルス感染症対策分科会での提案を踏まえたものです。

新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は全国的に増加傾向にあり、一部地域では感染拡大のスピードが増しています。

このため、新型コロナウイルス感染症対策分科会では、新規感染者数を減少させるための迅速な対応として、事業者に対して、①集団感染(クラスター)の早期封じ込め、②基本的な感染予防の徹底が提案されました。

「チェックリスト」では、「感染予防のための体制」「配慮が必要な労働者への対応等」の2分野で新たな項目が追加されています。

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社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインの改訂

社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインの改訂

<社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン改訂の経緯と趣旨>

令和元(2019)年度の建設業法等の一部改正で、建設業許可基準の見直しが行われ、令和2(2020)年10月から、建設業者の社会保険の加入が建設業許可・更新の要件とされるなど、企業単位での社会保険の加入確認の厳格化が講じられました。

この法改正により、施工体制台帳に社会保険の加入状況等を記載することが必要となり、実質的に作業員名簿の作成が義務化されたことから、技能者単位での社会保険の加入確認の厳格化についても措置を講ずることが求められます。

国土交通省は、企業にとって効率的に加入確認が行えるよう、建設キャリアアップシステムの活用を図るなど、技能者の現場単位での社会保険の加入徹底に向けた取組みを推進することとしています。

一方で、元請企業に対しては、新たに以下のような取組を求めることとしています。

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副業・兼業を制限する基準

副業・兼業を制限する基準

<副業・兼業の推進>

平成29(2017)年3月に政府から「働き方改革実行計画」が示されました。

これを受けて、厚生労働省「柔軟な働き方に関する検討会」で雇用型テレワーク、自営型(非雇用型)テレワーク、副業・兼業に関する新たなガイドライン案、モデル就業規則改定案等が検討され、平成31(2019)年3月版のモデル就業規則は、次のように修正されています。

(副業・兼業) 第68条  労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。 2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。 3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。 ① 労務提供上の支障がある場合 ② 企業秘密が漏洩する場合 ③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合 ④ 競業により、企業の利益を害する場合

<実務的な対応>

企業が副業・兼業を禁止・制限する根拠は、就業規則に規定することになりますが、その内容が不明確だとトラブルの元になってしまいます。

また、定期的な研修などで繰り返し説明する必要があります。

問題は、モデル就業規則のような規定を設けたとしても、副業・兼業を禁止・制限する基準が必ずしも客観的・具体的に明確にならない点にあります。

令和2(2020)年7月30日、労働政策審議会労働条件分科会が開催され、副業・兼業の労働時間管理に関する検討が行われました。

この中で、就業規則に規定するなどして、明確にしておくべき事項として、以下のものが挙げられています。

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民法改正と退職日

民法改正と退職日


<就業規則の規定>

モデル就業規則の最新版(平成31(2019)年3月版)は、従業員の退職について、次のように規定しています。

【退職】

第50条  前条に定めるもののほか、労働者が次のいずれかに該当するときは、退職とする。  ①退職を願い出て会社が承認したとき、又は退職願を提出して  日を経過したとき

従業員が「退職を願い出て会社が承認したとき」は、退職することについて労使が合意したわけですから、労働契約の合意解除がなされたことになります。

この場合には、即日退職ということもあります。

これに対して、従業員が「退職願を提出して  日を経過したとき」は、会社側が退職の申し出を拒んだとしても、一定の日数の経過により労働契約が解除されるわけですから、従業員から会社に対する一方的な契約解除ということになります。ここでは、「退職願」と言っていますが、「退職届」「辞職届」と呼んだ方がふさわしいでしょう。

結局、会社に退職願が提出されて会社が承認すればその時点で、会社が承認しなくても規定の日数が経過すれば退職の効果が生じることになります。

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被保険者期間の算定方法の変更

被保険者期間の算定方法の変更

<雇用保険の基本手当>

会社などで雇用されていた人が離職した場合、失業中の生活を心配しないで再就職活動ができるよう、一定の条件を満たせば、雇用保険の「基本手当」を受けることができます。

「基本手当」は、昔「失業手当」「失業給付」と呼ばれていたものです。

<基本手当をもらう原則の条件>

「基本手当」は、雇用保険の加入者(被保険者)が離職して、次の2つの条件を両方とも満たす場合に支給されます。

【基本手当の受給条件】

・ハローワークで求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること ・離職の日以前2年間に、「被保険者期間」が通算して12か月以上あること
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厚生年金保険における標準報酬月額の上限の改定

厚生年金保険における標準報酬月額の上限の改定

<標準報酬月額>

厚生年金保険では、加入者(被保険者)が受け取る給与(基本給のほか残業手当や通勤手当などを含めた税引き前の給与)を、一定の幅で区分した報酬月額に当てはめて決定した標準報酬月額を保険料の計算に用います。

そして、毎年9月に、4月から6月の報酬月額を基に、標準報酬月額の改定が行われます(定時決定)。

また、報酬月額に大幅な変動(標準報酬月額の2等級以上)があった場合には、標準報酬月額の改定が行われます(随時改定)。

令和2年8月31日までの標準報酬月額は、1等級(9万8千円)から30等級(62万円)までの30等級に分かれていました。

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