月: 2020年12月

DX(デジタルトランスフォーメーション)

DX(デジタルトランスフォーメーション)

<DX(デジタルトランスフォーメーション)>

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術による業務やビジネスの変革です。

「トランスフォーメーション」は、「変換」という意味ですが、これが「X」と省略されています。

DXは、経済産業省によると、次のように定義されます。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

<音楽のDX>

家庭で音楽を聴くというと、昔はレコードやカセットテープでした。

これらが、ある時期に、一気にCDやMDへと切り替わりました。

DXではなくデジタライゼーションなどと呼ばれる現象です。

さらにスマートフォンの普及で、音楽のダウンロード販売が行われるようになりました。

現在では、音楽のやり取りがデジタル化されています。

これがDXです。

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日本郵便事件最高裁判決(令和2年10月15日)

日本郵便事件最高裁判決(令和2年10月15日)

<判例の効力>

判決の先例としての効力は、「判決理由中の判断であって結論を出すのに不可欠なもの」に生じます。

決して、結論部分に効力が生じるものではありません。

最高裁が、特定の判決の中で、「契約社員にも、夏期冬期休暇手当、年末年始勤務手当、有給の病気休暇、祝日給、扶養手当を支給しなければならない」と述べたとしても、すべての企業で、すべての契約社員に対して、そうしなければならないと判断されたわけではありません。

<事件の争点>

改正前の労働契約法第20条は、次のように定めていました。

有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、 当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。

改正前労働契約法第20条は、民事的効力のある規定です。

法の趣旨から、有期契約労働者と無期契約労働者の労働条件を比較したときに、職務の内容、配置の変更の範囲、その他の事情を考慮して、バランスが取れていなければなりません。

「不合理と認められる」相違のある労働条件の定めは無効とされ、不法行為(故意・過失による権利侵害)として損害賠償請求の対象となり得ます。

3つの日本郵便事件は、内容的に重なり合うので、まとめて考えると、夏期冬期休暇手当、年末年始勤務手当、有給の病気休暇、祝日給、扶養手当の相違が、バランスを欠き不合理ではないかが争点となりました。

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職種限定正社員

職種限定正社員

<正社員>

「正社員」と言うと、企業と雇用契約を締結した者のうち、雇用期間の定めの無い者で、職務の内容や勤務地に制限が無く、基幹的業務に携わる者をイメージすることが多いでしょう。

しかし、「正社員」は法律用語ではなく、したがって法令の条文にも出てこない言葉です。

各企業は、労働基準法などの制約が許す限り、自由に「正社員」の定義を定めることができますし、明確な定義を定めていない企業もあります。

<限定正社員>

「限定正社員」は、その企業の一般「正社員」の労働条件の一部が限定されている社員です。

限定正社員のうち勤務地の限定が約55%、職務の限定が約50%、時間の限定が約40%とされています。

合計して100%にならないのは、複数の労働条件が重複して限定されている限定正社員がいるからです。

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同一労働同一賃金に罰則が無い理由

同一労働同一賃金に罰則が無い理由

<労働基準法の役割>

日本国憲法第27条第2項が「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める」と規定しているのを受けて、労働基準法が制定されました。

労働基準法は、労働条件の最低基準を定めて、使用者に強制的に守らせることによって、労働者を保護しています。

労働基準法ができる前は、民法の「契約自由の原則」によって、労働者に不利な労働契約も許されていました。

それが、労働基準法の制定によって、労働者が人間らしく生きていく権利を確保するため、労働基準法違反の労働契約は許されなくなったのです。

労働基準法は、労働者を保護するため、使用者に適用される多くの罰則を規定しています。

実際にこの罰則が適用されるのは、使用者が悪質な違反を行い、労働基準監督官が事件を送検し、刑事裁判で有罪になった場合です。

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見えていない正社員の業務

見えていない正社員の業務

<大阪医科大学事件>

大阪医科大学事件(令和2年10月13日最高裁判決)では、アルバイト職員が、「正職員と同じ仕事をしていながら、不合理な差別を受けた」として大学側を訴えました。

賞与が支給されないなど、不合理な差別を受けたので、経済的な損害を被っていたとして賠償金を請求したのです。

<アルバイト職員の目線>

しかし、正職員の業務のうち難度の高いものについては、アルバイト職員の目に触れない所で行われていた可能性があります。

正職員の業務の中でも難度の高いものは、経営に関わるもの、人事秘に属するものなど、機密性の高い情報を扱う業務が多いため、意図的にアルバイト職員の目を避けて行われていたのではないでしょうか。

<小売業では>

他の業種でも、例えば小売業で、売場での正社員の業務は、商品の補充、在庫チェック、発注、お客様のご案内、レジ打ち、ゴミの整理、清掃など、非正規社員とほぼ同じ内容だと思われます。

しかし、売場を離れて、売上や利益を確認しつつ、売場の変更を考え、店舗や部門の方針を策定し、人員配置を協議し、また、他店舗との連携や他店舗への応援など、非正規社員には見えていない業務について責任を負っています。

非正規社員からすると、正社員が売場を離れて働いている時間は、何の仕事をしているか分からない時間、あるいは、働いていない時間と受け取られかねません。

契約社員が、「正社員と同じ仕事をしていながら、退職金が支給されないなど、不合理な差別を受けた」として会社側を訴えたメトロコマース事件(令和2年10月13日最高裁判決)でも、同じような事情があったと考えられます。

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サービス残業(賃金不払残業)の公表事例

サービス残業(賃金不払残業)の公表事例

<厚生労働省の公表>

厚生労働省は、監督指導による賃金不払残業の是正結果のデータとともに、賃金不払残業の解消のための取組事例を公表しています(平成31年度・令和元年度)。

無作為抽出によって行われた立入調査の事例が1件と、労基署への情報提供によって行われた立入調査の事例が3件示されています。

無作為抽出による立入調査は、特定の業種や重点項目など目的をもって行われるものですから、その企業に監督が入るのは偶然性が高いものです。

これに対して、労基署に情報が入ったために行われる立入調査は、情報の真否を含め実態を確認し、是正を求める目的ですから偶然ではありません。

情報源としては、従業員が疑われやすいのですが、実際には、退職者、取引先、ライバル企業など広い範囲に渡っています。

<タイムカード打刻後の労働>

賃金不払残業の防止を目的として、労基署が立入調査を実施しました。

検査部門の労働者に対し、所定終業時刻にタイムカードを打刻させた後、部品の検査を行わせており、検査した個数に応じて「手当」を支払っていたが、作業に要した時間を確認した結果、賃金不払残業の疑いが認められたため、実態調査を行うよう指導しました。

タイムカードを打刻させた後で働かせているので、終業時刻の正しい把握・記録ができていません。

社内独自のルールで、残業代に代えて「手当」を支給しているので、正しい時間外割増賃金が計算・支給されていません。

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ジョブ型雇用

ジョブ型雇用

<メンバーシップ型雇用>

メンバーシップ型雇用というのは、職種を限定せずに総合職として採用し、総合的なスキルを求める方式です。

「この仕事をしてもらう」のではなく、「この会社の社員になってもらう」という雇用です。

日本では、新卒一括採用がこれに当たります。

会社は、社員の職種や仕事内容を変えながら適性を見極め、会社に長く貢献する人材を育てていきます。

この過程で、社員自身も自分に合った仕事を見出すチャンスを与えられます。

メンバーシップ型雇用で入社した社員には、長く勤める者が多く、仕事も広範囲に及ぶため、社歴の差が物を言います。

途中で退職しないように、勤続していれば昇給し、退職金の支給額も累進的に増額するような、年功序列的な雇用ですから、社員にとっては転職する場合のリスクが高く、優秀な人材でも転職しにくい環境にあります。

こうしたメンバーシップ型雇用は、定着率が高いことと、異動が容易であることから、人材の確保には適していますが、専門職の人材が育ちにくい欠点があり、市場環境の変化が著しい現代の日本には適合しなくなってきています。

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コンピテンシー(competency)

コンピテンシー(competency)

<コンピテンシーとは>

コンピテンシー(competency)は、英語で「適格性」を意味しますが、企業の人材活用の場面で用いられる場合には、「職務で一貫して高い業績を出す人の行動特性」をいいます。

コンピテンシーが注目されるようになった理由は2つあります。

ひとつは、企業が年功序列主義を見直し、能力を客観的に評価する基準が必要になったという事情があります。

もうひとつは、企業が国際競争にさらされ、生き残りをかけて組織や企業全体の生産性を高めることが急務となったことです。

両者が相まって、企業が従業員に能力向上の分かりやすい指標を示すのに、コンピテンシーが有効だったわけです。

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健康保険のオンライン資格確認

健康保険のオンライン資格確認

<アナログな方法による資格確認>

退職や転職などにより、受診者の保険証(健康保険の保険者)に変更があった場合、このことが医療機関に正しく伝わらないと、医療機関は診療報酬のうちの健康保険適用部分を正しく受け取ることができません。

この場合、電話や文書で受診者などに確認をして、正しい保険者に再申請する等の、医療機関での業務負担が発生しています。

保険者の食い違いが発生するのは、受診者が会社を退職して健康保険の資格を失ったのに、保険証を会社に返却することを怠り、無効な保険証を医療機関に提示した場合などが考えられます。

医療機関が気付かずに、その保険証を有効なものとして手続してしまうと、医療機関も受診者も、手続のやり直しを求められることになってしまいます。

保険証が無効であることを知りながら、あえて不正使用をする受診者がいると、医療機関の収入は、保険証の不正使用者から「自己負担分」として受け取った金額だけになってしまい、本来は不正使用者が全額負担するはずであった金額との差額だけ、損失が発生してしまうことになります。

また、月の途中で保険者が変わる等の異動があった場合、窓口での資格確認にタイムラグが生じる可能性があります。

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Society(ソサエティー)5.0

Society(ソサエティー)5.0

<Society5.0>

Society(ソサエティー)5.0とは、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)をいいます。

第1段階の狩猟社会(Society1.0)、第2段階の農耕社会(Society2.0)、第3段階の工業社会(Society3.0)、第4段階の情報社会(Society4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において、日本が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました。

内閣府は、Society5.0の社会を次のように想定しています。

<新たな社会>

Society5.0で実現する社会では、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、知識や情報が共有され、今までに無い新たな価値を生み出すことで、多くの課題や困難が克服されるでしょう。

また、人工知能(AI)により、必要な情報が必要な時に提供されるようになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服されるでしょう。

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