月: 2021年1月

新型コロナウイルス対策で働き方改革は進んだのか

新型コロナウイルス対策で働き方改革は進んだのか

<働き方改革>

平成31(2019)年4月に、長時間労働是正を中心とする働き方改革関連法が施行されました。

また、令和2(2020)年4月には、パートタイム・有期雇用労働法が大企業に施行され、労働者の待遇の在り方の見直しが進められています。

しかし、令和2(2020)年2月頃からは、こうした法改正への対応よりも、新型コロナウイルス感染拡大を防止するための対策に追われるようになりました。

これによって、働き方に大きな変化が生じ、働き方改革が一気に進んだ部分もあります。

<時差通勤>

令和2(2020)年3月から 4月上旬にかけて時差通勤の取組が拡大されました。

感染拡大を防止するためには、ソーシャルディスタンスが必要とされます。

時差通勤は、満員電車の過密を避ける取組です。

LINEによる全国調査によると、時差通勤を実施した人は2月19日調査で5%だったのが、3月2日調査では19%と増加しました。

緊急事態宣言が発出された4月7日より後の4月16日の調査では、19%のまま維持されています。

また、3月に行われた東京商工会議所による会員企業調査でも、時差通勤の実施企業割合は56.5%と高い数字を示しています。

規模が大きい企業ほど、実施率が高い傾向にありますが、50人未満の企業でも実施率は43.9%を示しています。

4月の調査では、企業数では半数程度、従業員数では2割弱が時差通勤をしていることが示されました。

緊急事態宣言が解除された5月25日以降も、利用者数は増加したものの、8月中旬以降は横ばいの傾向にあります。

これは、時差通勤を利用していた人の一定数が、テレワークや自宅勤務に移行していることが推測されます。

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在宅勤務をやめるときの問題

在宅勤務をやめるときの問題

<就業場所の法的規制>

労働基準法は、就業場所について直接には特別な規制をしていません。

しかし使用者は、労働契約の締結に際し、労働条件の1つとして就業場所を明示しなければなりません。〔労働基準法第15条、労働基準法施行規則第5条〕

また民法第484条第1項は、次のように規定しています。

【弁済の場所】

弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、特定物の引渡しは債権発生の時にその物が存在した場所において、その他の弁済は債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない。

弁済(べんさい)とは、債務者(または第三者)が債務の給付を実現することをいいます。

労務の提供は、特定物の引渡しではありませんから、労使で別段の合意が無ければ、使用者の事業所で労務を提供すべきことになります。

<就業場所の明示>

労働者の就業場所は、就業規則や労働条件通知書によって示されています。

就業場所を、原則として会社の施設としつつ、「会社は、必要に応じ在宅勤務を命じることがある」という規定がある場合には、会社がこれを根拠として、在宅勤務を命じたり、通常の就業場所に戻したりすることができます。

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助成金受給の基本要件

助成金受給の基本要件

<雇用関係助成金>

従業員を休業させ、事業主が休業手当を支払った場合に、その一部が助成されるなどの雇用調整助成金について、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、大幅な例外措置が取られましたし、これが注目されて、支給申請件数が大幅に伸びました。

また、厚生労働省は、雇用関係を維持しながら他社に従業員を出向させる在籍型出向(雇用シェア)を推進するため、出向元と出向先双方の企業を対象とした「産業雇用安定助成金」を創設しました。

これらを含め、多くの雇用関係助成金は、事業主の負担する雇用保険料を財源とする雇用安定事業として行われています。

事業主の負担する雇用保険料が、助成金の受給に相応しくない事業主に流れたり、不正受給が行われたりすると、公平に反する結果となりますから、各雇用関係助成金に共通の受給要件等は、以下に示すように厳格です。

<受給できる事業主>

雇用関係助成金を受給する事業主(事業主団体を含む)は、次の1~3の要件のすべてを満たすことが必要です。

1 雇用保険適用事業所の事業主であること(雇用保険被保険者が存在する事業所の事業主であること)   2 支給のための審査に協力すること (1)支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等を整備・保管していること (2)支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等の提出を、管轄労働局等から求められた場合に応じること (3)管轄労働局等の実地調査を受け入れること など   3 申請期間内に申請を行うこと
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働き方改革を阻害する「しわ寄せ」の解消

働き方改革を阻害する「しわ寄せ」の解消

<しわ寄せ>

働き方改革関連法(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)により改正された労働基準法に規定された、罰則付きの時間外労働の上限規制や年5日の年次有給休暇の確実な取得を始めとする施策が実施される中で、大企業・親事業者での「長時間労働の解消」などの取組が、下請等中小事業者に対する適正なコスト負担を伴わない短納期発注、急な仕様変更、人員派遣の要請、附帯作業の要請などの「しわ寄せ」を生じさせている場合があります。

大企業・親事業者では、社内の発注や調達部署の役員、責任者、担当者等に対して、適正な発注等が行われているか、定期的に確認する必要があります。

<振興基準>

平成30(2018)年12月に、下請中小企業振興法第3条第1項の規定に基づく振興基準が改正され、親事業者は、自らの取引に起因して下請事業者が労働基準関連法令に違反することのないよう配慮することや、やむを得ず、短納期または追加の発注、急な仕様変更などを行う場合には下請事業者が支払うこととなる増大コストを負担することなどが新たに盛り込まれました。

振興基準は、下請中小企業の振興を図るため、下請事業者および親事業者のよるべき一般的な基準として、下請中小企業振興法第3条第1項の規定に基づき、経済産業省告示で具体的な内容が定められています。

振興基準は、親事業者と下請事業者の望ましい取引関係を定めており、下請法とは異なり、資本金が自己より小さい中小企業者に対して製造委託等を行う幅広い取引が対象となります。

また、振興基準は、主務大臣(下請事業者、親事業者の事業を所管する大臣)が必要に応じて下請事業者および親事業者に対して指導、助言を行う際に用いられています。

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医師によるオンライン面接指導

医師によるオンライン面接指導

<医師による面接指導>

事業者は、一定の要件を満たす長時間労働者に対して、医師による面接指導を実施しなければなりません。〔労働安全衛生法第66条の8第1項、第66条の8の2第1項、第66条の8の4第1項、第66条の10第3項〕

法の規定に基づく面接指導は、情報通信機器を用いて行うことができます。

令和2(2020)年11月19日に、このことについての通達が一部改正されました(基発1119 第2号)。

ここで、通達の内容をご紹介します。

<基本的な考え方>

労働安全衛生法第66条の8第1項で、面接指導は「問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うこと」とされています。

つまり、医師が労働者と面接し、労働者とのやりとりやその様子(表情、しぐさ、話し方、声色等)から労働者の疲労の状況やストレスの状況その他の心身の状況を把握し、把握した情報を元に、必要な指導や就業上の措置に関する判断を行うものです。

このため面接指導は、労働者の様子を把握し、円滑にやりとりを行うことができる方法により行う必要があります。

面接指導を実施する医師が、必要と認めた場合には、直接対面によって行う必要があります。

急速なデジタル技術の進展に伴い、情報通信機器を用いて面接指導を行うことへのニーズが高まっています。

しかし、情報通信機器を使って面接指導を行う場合でも、労働者の心身の状況の確認や必要な指導が適切に行われるようにするため、以下の留意事項を踏まえて実施しなければなりません。

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介護離職の防止

介護離職の防止

<社会背景>

少子高齢化の傾向が継続しており、厚生労働省の定義する団塊世代(昭和22(1947)年~昭和24(1949)年生まれ)は70歳代に入りました。

介護保険の要支援・要介護認定者数も増加傾向にあります。

介護する側の人には、働き盛りで企業の中核を担う管理職や職責の重い人材が多く含まれています。

<育児との違い>

育児介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律

)には、育児と介護の両方について規定が並んでいます。

しかし、育児が計画的に対応できるものであるのに対して、介護の必要は突発的に発生します。

また育児は、ある程度まで画一的にイメージすることもできますが、介護の場合には、その内容も期間も千差万別です。

このことから、行政や企業の対応も容易ではなく、仕事と介護の両立が困難となる可能性があります。

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モデル就業規則の改定(令和2年11月版)

モデル就業規則の改定(令和2年11月版)

<モデル就業規則とは>

常時10人以上の従業員を使用する使用者は、労働基準法第89条の規定により、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署長に届け出なければならないとされています。

就業規則を変更する場合も同様に、所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。

これを受けて、厚生労働省は就業規則のひな形を公表しています。

これが「モデル就業規則」です。

各企業は「モデル就業規則」の規定例や解説を参考に、各職場の実情に応じた就業規則の作成・変更を行うことができます。

就業規則は、職場の実情に合っていなければ、トラブルの元となってしまうことがあります。

「モデル就業規則」は、規定例だけでなく詳細な解説が施されていますので、これを手がかりにカスタマイズすることになります。

「モデル就業規則」は、法改正などに対応するため、不定期に改定されています。

従来の平成30年1月版の改定版が、令和2年11月に公表されました。

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出向元と出向先の役割分担

出向元と出向先の役割分担

<出向の意味>

「出向」とは、他の企業の指揮監督下で労務を提供する形態の労働契約です。

元々在籍している企業を「出向元(しゅっこうもと)」、実際に勤務している企業を「出向先(しゅっこうさき)」と呼びます。

出向元から見て、他の企業に出向することを「出出向(でしゅっこう)」と呼び、他の企業から受け入れている出向を「入出向(いりしゅっこう)」と呼びます。

また、広義の「出向」には、籍を元の企業に置いたまま他の企業に出向する「在籍出向」と、元の企業の籍を失って他の企業に出向する「転籍出向」とがあります。

「在籍出向」では、出向元・出向先の両方との間で労働契約が成立しています。2つの契約には矛盾が生じうるので、これを調整するため、一般には出向元と出向先の間で出向契約という契約が交わされます。

「転籍出向」では、出向元との労働契約が解消され、出向先との労働契約のみになります。元の企業に戻る可能性は、その企業のルールや慣行によります。

ここでは、狭義の「出向」である在籍出向に限定して述べます。

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女性の活躍を推進する理由

女性の活躍を推進する理由

<社会的な必要性>

企業内で女性が働く環境は、必ずしも快適ではなく、女性の能力が十分に発揮されていないといわれます。

このことは、次のような統計上の数値にも現れています。

・就業を希望しながらも働いていない女性(就業希望者)は、231万人に上ります。

・女性労働者のうち56.0%が、非正規労働者です。

※以上総務省統計局「令和元年労働力調査」より

・第一子の出産を機に退職する女性は46.9%います。

※国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」より

国内では、生産年齢人口が長期的に減少傾向にありますので、人材確保の観点から、能力と意欲のある女性の力を活かす必要があります。

また、ニーズの多様化やグローバル化に対応するためにも、人材の多様性を確保するうえで、女性の活用が必須となっています。

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