カテゴリー: 人事管理

働き方改革のチェックポイント

働き方改革のチェックポイント

<働き方改革とは>

働き方改革の定義は、必ずしも明確ではありません。

しかし、働き方改革実現会議の議事録や、厚生労働省から発表されている数多くの資料をもとに考えると「企業が働き手の必要と欲求に応えつつ労働生産性を向上させる急速な改善」といえるでしょう。

 

<長時間労働の解消>

現在、大手企業を中心に最も進められている働き方改革といえば、残業時間を初めとする労働時間の削減です。

労働時間の削減は、ひとつ一つの業務の必要性を見直すことが基本です。過去からの習慣で行っている業務、得られる成果が経営陣の自己満足だけのような業務は最初に切り捨てられます。

これはこれで正しいのですが、労働者側からは「働き方改革の影響で収入が減った。転職を考えている」という声もあがっています。

残業時間の減った正社員は、その分だけ残業手当が減り給与が減少します。パート社員は時間給ですから、出勤日数や労働時間が減った分だけ収入が減ります。

会社側は、働き方改革で労働時間が減り、労働生産性が向上したということで喜んでいる一方、働き手の不満は膨らんでいるようです。

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雇用情勢の概況と企業の対応

雇用情勢の概況と企業の対応

平成30(2018)年9月28日、厚生労働省が閣議で「平成30年版労働経済の分析」(「労働経済白書」)を報告し公表しました。

この中で、雇用情勢の概況が次のように分析されています。

 

【雇用情勢の概況】

1. 2017年度の完全失業率は2.7%と1993年度以来24年ぶりの低水準となったことに加えて、有効求人倍率は1.54倍と1973年度以来44年ぶりの高水準となっており、雇用情勢は着実に改善している。

 

2. 雇用者数(15~54歳)の推移をみると、正規の職員・従業員は3年連続で増加しており、2017年では2,841万人(前年差36万人増)となった。

 

3. 他方、雇用人員判断D.I.により人手不足の状況をみると、人手不足感が高まっており、2018年3月調査では、全産業・製造業・非製造業のいずれもバブル期に次ぐ人手不足感となっている。

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社内で本人がいない時に悪口を言うのはパワハラか

社内で本人がいない時に悪口を言うのはパワハラか

<パワハラの定義からすると>

職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係など「職場内での優位性」を背景に、「業務の適正な範囲」を超えて、精神的・身体的苦痛を与え、または、職場環境を悪化させる行為をいいます。

これが厚生労働省による説明です。

パワハラを行う者が、直接被害者に働きかけることは条件に含まれていません。

また、厚生労働省が公表しているモデル就業規則の最新版(平成30(2018)年1月版)では、次のように規定されています。

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深夜業従事者の健康診断

深夜業従事者の健康診断

<健康診断の対象者>

企業は、常時使用する労働者に対し、労働安全衛生法に定める基準により、健康診断を実施しなければなりません。

たとえ就業規則に規定が無くても、この実施義務を免れることはできません。むしろ、健康診断に関する規定がもれていれば、就業規則への補充が必要です。

労働安全衛生法に定める対象者の基準は次の2つです。両方の基準を満たす人については、健康診断の実施義務があります。

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雇用継続給付手続きの署名・押印省略

雇用継続給付手続きの署名・押印省略

<雇用継続給付>

雇用継続給付とは、職業生活の円滑な継続を援助、促進することを目的とし、「高年齢雇用継続給付」、「育児休業給付」、「介護休業給付」が支給されるものです。

 

・高年齢雇用継続給付 ― 60歳到達等時点に比べて賃金が75%未満に低下した状態で働き続ける60歳以上65歳未満の雇用保険加入者(正しくは被保険者)に支給されます。

・育児休業給付 ― 育児休業を取得した被保険者に支給されます。

・介護休業給付 ― 介護休業を取得した被保険者に支給されます。

※支給には、それぞれ一定の条件があります。

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正規雇用と非正規雇用の不合理な待遇差の禁止

正規雇用と非正規雇用の不合理な待遇差の禁止

 

非正規雇用労働者(パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者)について、以下の1.~3.が統一的に整備されます。

パートタイム労働者だけでなく、有期雇用労働者も法の対象に含まれることになりました。

法律の名称も、「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(パートタイム・ 有期雇用労働法)に変わります。

新しい法律は、中小企業については2021年4月1日施行ですが、大企業では2020年4月1日施行です。

 

<1. 不合理な待遇差をなくすための規定の整備>

同一企業内で、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、基本給や賞与などの個々の待遇ごとに、不合理な待遇差を設けることが禁止されます。

平成28(2016)年12月に、「同一労働同一賃金 ガイドライン案」が策定され、どのような待遇差が不合理に当たるかが示されていますが、今後、確定版が策定され明確な基準が示される予定です。

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20年も前のセクハラを理由とする懲戒処分

20年も前のセクハラを理由とする懲戒処分

<懲戒処分の時効>

懲戒処分について、消滅時効期間を定める法令はありません。

会社の就業規則にも「○年以上経過した事実を理由に懲戒処分は行わない」などの規定は無いでしょう。

ただ、懲戒処分は労働契約に付随するものですから、次に示す民法の基本原則が適用されます。

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女性社員を昇給対象外とすることの正当性

女性社員を昇給対象外とすることの正当性

<理論上許される場合>

「女性社員だけ昇給しない」と決めて昇給しないのであれば、一般には労働基準法違反となってしまいます。

ただし、男女平等の人事考課により、合理的な昇給制度を運用した結果、偶然、女性社員だけが昇給しなかったのならば、適法ということになるでしょう。

また、社内で男性社員の賃金水準が女性社員に比べて低い場合に、男女間の格差を是正するための措置として許される場合もあります。

しかし、会社側がこれらの適法性を証明するのは容易ではありません。

また、例外的に適法性を証明できたとしても、その正当性が支持されるとは限りません。

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平成30年版『労働経済白書』から分かること

平成30年版『労働経済白書』から分かること

 

平成30(2018)年9月28日、厚生労働省が閣議で「平成30年版労働経済の分析」(「労働経済白書」)を報告し公表しました。

 

<労働経済白書の趣旨>

「労働経済白書」は、雇用、賃金、労働時間、勤労者家計などの現状や課題について、統計データを活用して分析する報告書で、今回で70回目の公表となります。

少子高齢化による労働供給制約を抱える日本が、持続的な経済成長を実現していくためには、多様な人材が個々の事情に応じた柔軟な働き方を選択できるように「働き方改革」を推進し、一人ひとりの労働生産性を高めていくことが必要不可欠です。

そのためには、資本への投資に加えて、人への投資を促進していくことが重要です。

平成30年版では、こうした認識のもと、働き方の多様化に対応した能力開発や雇用管理の在り方についてさまざまな視点から多面的な分析が行われています。

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健康保険の扶養家族認定の厳格化

健康保険の扶養家族認定の厳格化

 

平成 30 (2018)年 10 月 1 日から、日本年金機構で受け付ける「健康保険被扶養者(異動)届」について、添付書類の取扱いが変更になりました。

 

<認定事務の変更>

厚生労働省から「日本国内に住んでいる家族を扶養家族(被扶養者)に認定する際の身分関係と生計維持関係の確認について、申立てのみによる認定は行わず、証明書類に基づく認定を行うこと」という事務の取扱いが示されました。

これを受けて、日本年金機構への届出に際しては、下に示す【添付書類一覧】の書類の添付が必要になりました。

なお、一定の要件を満たした場合には、書類の添付を省略することが可能となります。

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