カテゴリー: 人事管理

セクハラは相手の受け取り方次第なのか

セクハラは相手の受け取り方次第なのか

<セクハラの公式定義>

セクシュアルハラスメント(セクハラ)とは、職場において、性的な冗談やからかい、食事やデートへの執拗な誘い、身体への不必要な接触など、意に反する性的な言動が行われ、拒否したことで不利益を受けたり、職場の環境が不快なものとなることをいいます。

対価型セクハラとは、労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応(拒否や抵抗)により、その労働者が解雇、降格、減給等の不利益を受けることをいいます。

セクハラ行為に拒否の態度を示したことで不利益を受けたという形です。これは会社にとって、人事考課制度の適正な運用を侵害する行為でもあります。

環境型セクハラとは、労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等その労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることをいいます。

セクハラ行為があったため落ち着いて仕事ができず生産性が低下したという形です。これは会社にとって、生産性の低下という実害をもたらすものです。

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制服代や備品を労働者の負担にすることの可否

制服代や備品を労働者の負担にすることの可否

<労働条件の決定>

労働条件の決定は、労働者と使用者が対等の立場で決めるべきものだとされています。

このことは、労働基準法2条1項に次のように定められています。

 

(労働条件の決定)

第二条 労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである。

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暑すぎる職場と法律の規制

暑すぎる職場と法律の規制

<労働安全衛生法>

快適な職場環境の形成について、基本的なことを定めているのは労働安全衛生法です。略して安衛法と呼びます。

安衛法の目的について、第1条が次のように規定しています。

 

第一条 この法律は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)と相まつて、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。

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会社のパソコンで私的メールを送ったら懲戒処分はできるか

会社のパソコンで私的メールを送ったら懲戒処分はできるか

<発覚するということは>

私的なメールが送られた事実は、受信した相手なら確実に知ることができます。送受信したのが同じ会社の社員であって、この社員が第三者に話し、上司や人事部門などに伝われば問題視されることもあるでしょう。

これとは別に、ネット管理者など権限のある社員がチェックしたことにより発覚した場合には、プライバシーの侵害となるのではないかが問題となります。

会社のパソコンがどのように使用されているかを、会社側が把握することは、完全に会社の自由というわけではありません。

特に、メールの内容については、就業規則の規定・周知、監視の必要性、手段の相当性が調っていないと、プライバシーの侵害とされることがあります。

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社員の副業・兼業で会社が負うリスク

社員の副業・兼業で会社が負うリスク

<モデル就業規則の改定>

厚生労働省が公表しているモデル就業規則は、かつて副業・兼業に消極的な態度を示していました。

ところが、「働き方改革実行計画」(平成29(2017)年3月28日働き方改革実現会議決定)を踏まえ、厚生労働省が副業・兼業の普及促進を図るようになりました。

これを受けて、モデル就業規則の最新版(平成30(2018)年1月版)は、次のように規定しています。

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マタハラ防止にも不可欠な社員教育

<就業規則の規定>

マタニティーハラスメント(マタハラ)とは「子を設け育てることに対する職場での支援拒否の態度」と表現できます。

また、特に経営者が行うものは「不利益な取扱い」と呼ばれ、マタハラとは別の概念とされています。

厚生労働省が公表しているモデル就業規則の最新版(平成30(2018)年1月版)では、マタハラが次のように規定されています。

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具体的な残業削減法(働き方改革)

具体的な残業削減法(働き方改革)

<必要性の高くない業務をやめる>

「昔からこの業務をやっているから」というのは、無駄な業務である可能性が高いといえます。なぜなら市場は変化し、これに対応する企業の業務も変化するわけですから、昔から行っている業務ほど、無駄な業務である可能性は高いのです。

「もし、この業務をやめてしまったら」と仮定してみて、特に支障が無いのであれば直ちにやめましょう。やめると不都合が生じる場合でも、やり方を変えて時間を短縮することを考えましょう。

ひとつの部門で無駄な業務を削減しようとしても、何が無駄なのか分からないことがあります。関連する複数の部門で意見交換すれば、「その資料はもう要らない」という話が出てくるでしょう。

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人事考課における残業の評価

人事考課における残業の評価

<残業の性質>

残業は、会社が社員に命じて行わせるものです。具体的には、上司が業務上の必要から部下に命じて行わせることになります。

少なくとも、部下が残業の必要性を上司に打診し、これを受けて上司が部下に命ずるという形でなければ、残業は発生しない性質のものです。

そして、いつも上司がいるわけではありませんから、伝票の処理が終わらないときは残業しなさい、お客様のクレームがあったときは対応して報告書を作成するまでは残業しなさいという条件付きの包括的な命令もあります。

この場合には、ダラダラ残業の危険がありますから、上司は十分な事後チェックをしなければなりません。

ところが、社員がこの原則に違反して残業してしまった場合には、タイムカードなどに出退勤の記録が残っている以上、会社は残業代を支払わざるを得ません。

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不適法な労働条件と本人の同意

不適法な労働条件と本人の同意

<自由な意思による本人の同意がある場合>

労働契約というのは、使用者と労働者との合意によって成立します。ですから、労働条件も基本的には両者の合意によって決定されます。

このことからすれば、労働基準法の規定とは違う労働条件とすることについて、労働者本人が同意しているのであれば問題なさそうに思えます。

しかし、採用されたいがために「残業代はいただきません」「年次有給休暇は取得しません」「入社から5年間は退職しません」というような同意書に労働者が署名・捺印したとしても、本心かどうかは怪しいものです。

では、本人が心の底から同意していれば、その労働条件でかまわないのでしょうか。

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フレックスタイム制の清算期間延長(2019年4月より)

フレックスタイム制の清算期間延長(2019年4月より)

<法改正のポイント>

平成31(2019)年4月1日からは、現行法で1か月が上限とされるフレックスタイム制の清算期間が3か月にまで延長できるようになります。

清算期間を2か月、3か月と延長する場合のメリットとしては、次のようなことが挙げられます。

・各月の曜日ごとの日数の違いによる不都合が緩和される。

・特定の繁忙月や労働者の都合への対応が容易になる。

・残業代の計算が、原則として2か月、3か月単位になる。

反対に、次のようにやや煩わしくなる点もあります。

・所轄労働基準監督署に労使協定の届出が必要となる。

・長時間労働が慢性化している場合には残業代の計算が複雑になる。

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