<就業場所の法的規制>
労働基準法は、就業場所について直接には特別な規制をしていません。
しかし使用者は、労働契約の締結に際し、労働条件の1つとして就業場所を明示しなければなりません。〔労働基準法第15条、労働基準法施行規則第5条〕
また民法第484条第1項は、次のように規定しています。
【弁済の場所】
弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、特定物の引渡しは債権発生の時にその物が存在した場所において、その他の弁済は債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない。 |
弁済(べんさい)とは、債務者(または第三者)が債務の給付を実現することをいいます。
労務の提供は、特定物の引渡しではありませんから、労使で別段の合意が無ければ、使用者の事業所で労務を提供すべきことになります。
<就業場所の明示>
労働者の就業場所は、就業規則や労働条件通知書によって示されています。
就業場所を、原則として会社の施設としつつ、「会社は、必要に応じ在宅勤務を命じることがある」という規定がある場合には、会社がこれを根拠として、在宅勤務を命じたり、通常の就業場所に戻したりすることができます。
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