これからの労働時間制度

これからの労働時間制度

<これからの労働時間制度に関する検討会>

令和4(2022)年7月1日、厚生労働省の第15回これからの労働時間制度に関する検討会が開催されました。

この中で、これまでの議論が整理され、労働時間制度の現状と課題等が示されました。

<経済社会の変化>

この検討会では、経済社会の変化について、次のようにとらえられています。

・少子高齢化や産業構造の変化が進む中で、近年ではデジタル化の更なる加速や、新型コロナウイルス感染症の影響による生活・行動様式の変容が、労働者の意識や働き方、企業が求める人材像にも影響している。 ・コロナ禍でのテレワークの経験等により、労働者の意識も変化した。時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を求めるニーズが強まっていく。 ・デジタル化の進展に対応できるような、創造的思考等の能力を有する人材が一層求められていく。企業は、企業の求める能力を持った多様な人材が活躍できるような魅力ある人事労務制度を整備していく必要に迫られる。
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職場における学び・学び直し促進

職場における学び・学び直し促進

<職場における学び・学び直し促進ガイドライン>

令和4(2022)年6月29日、厚生労働省が「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」を策定し公表しました。

前年12月の労働政策審議会建議『関係者の協働による「学びの好循環」の実現に向けて(人材開発分科会報告)について』を踏まえ、労働政策審議会人材開発分科会では議論が重ねられてきました。

企業・労働者を取り巻く環境が急速かつ広範に変化し、労働者の職業人生の長期化も同時に進行する中で、労働者の学び・学び直しの必要性が益々高まっています。

変化の時代においては、労働者の「自律的・主体的かつ継続的な学び・学び直し」が重要であり、学び・学び直しにおける「労使の協働」が必要となります。

厚生労働省は、このような背景を踏まえて、ガイドラインを策定したと説明しています。

今回策定された「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」では、職場における人材開発(「人への投資」)の抜本的な強化を図るため、基本的な考え方や、労使が取り組むべき事項、公的な支援策等が体系的に示されています。

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東京労働局管内の送検状況(令和3年度)

東京労働局管内の送検状況(令和3年度)

<送検状況の概要>

令和4(2022)年6月30日、東京労働局が令和3年度の送検状況を取りまとめ公表しました。

令和3(2021)年4月から令和4(2022)年3月までの1年間に、東京労働局と管下の労働基準監督署(支署)では、81件(前年度比11件増)の司法事件を東京地方検察庁に送検しました。

送検した司法事件の違反事項をみると、労働安全衛生法が定める危険防止措置に関する違反が36件となっているなど、労働安全衛生法違反の事案が増加(前年度比9件増)しています。

また、労働基準法・最低賃金法では、賃金・退職金不払に関する違反や労働時間に関する違反等がみられました。

業種別でみると、建設業(17件)が最も多く、ついで清掃・と畜業(15件)となっています。

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事業開始等による失業手当受給期間の特例

事業開始等による失業手当受給期間の特例

<受給期間の特例の新設>

失業手当(正しくは雇用保険の基本手当)の受給期間は、原則として、離職日の翌日から1年以内となっています。

令和4(2022)年7月1日から、事業を開始等した人が事業を行っている期間等は、最大3年間受給期間に参入しない特例が新設されています。

これによって、仮に事業を休廃業した場合でも、その後の再就職活動にあたって、基本手当を受給することが可能になりました。

<特例申請の要件>

特例を申請するためには、事業が次の5つの要件すべてを満たす必要があります。

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労働者協同組合

労働者協同組合

<労働者協同組合の必要性>

少子高齢化が進む中、子育て、介護、地域の活性化など幅広い分野での担い手が必要とされています。

これらの担い手が不足しており、多様な働き方を実現しつつ、地域の課題に取り組むための新たな組織として労働者協同組合が創設されました。

<労働者協同組合法>

令和4(2022)年10月1日、労働者協同組合法が施行されます。

労働者協同組合法は、労働者協同組合の設立や運営、管理などについて定めた法律です。

この法律は、労働者協同組合が、持続可能で活力ある地域社会に資する事業を行うことを目的とし、次の3つを基本原理とすることを示しています。

・組合員が出資すること  

・その事業を行うに当たり組合員の意見が適切に反映されること

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パワハラを受けたと思い込んで精神障害

パワハラを受けたと思い込んで精神障害

<パワハラによる労災認定>

現在の「心理的負荷による精神障害の認定基準」には、「パワーハラスメント」の出来事が「心理的負荷評価表」に追加されています(令和2年5月29日付基発0529第1号通達)。

業務により精神障害を発病した可能性のある人に対しては、この基準が適用されて労災保険適用の有無が検討されます。

ですから、パワハラを受けたという思い込みが原因で精神障害を発病した場合には、「パワハラによる労災」が認定されないことになります。

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インターンシップのあり方が変わります

インターンシップのあり方が変わります

<以前の三省合意>

文部科学省・厚生労働省・経済産業省の三省合意である「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」の平成27(2015)年改正版では、インターンシップは「学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと」と定義され、そこで取得した学生情報を広報活動や採用選考活動に使用してはならないとされていました。

<産学協議会の報告書>

これに対し、「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」(産学協議会)は、令和4(2022)年4月に公表した報告書で、インターンシップについて新たな定義を定め、一定の基準に準拠するインターンシップで得られた学生情報については、その情報を採用活動開始後に活用可能とすることで産学が合意に至ったとし、三省合意は早急な見直しの要望を受けていました。

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休日労働の法的制限

休日労働の法的制限

<労働法での休日>

「休日」は、労働者が労働義務を負わない日のことをいいます。

労働法上は、カレンダーで日付の色が違う土日や祝日ではなく、就業規則や労働契約で定められた休日のことを「休日」と呼んでいます。

何も手続をしなくても、当然にお休みなのが「休日」です。

「休日」の中でも、労働基準法によって定められている「休日」を、特に「法定休日」と呼んでいます。

【労働基準法第35条:休日】

使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。 ② 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
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トラガール促進プロジェクト

トラガール促進プロジェクト

<「トラガール促進プロジェクト」サイト>

令和4(2022))年6月7日、国土交通省が、女性トラックドライバー(トラガール)の多様な働き方・キャリア形成等の魅力や企業のトラガール活躍推進方策を紹介する「トラガール促進プロジェクト」サイトを全面リニューアルしました。

運送業での人手不足解消や女性活躍推進といった政策を背景に、トラガールを目指す人やトラガールのさらなる活躍を目指す経営者等へ有益な情報を発信することを目的として、国土交通省が平成27(2015)年に開設しました。

この中の企業向け情報では、トラガール促進のメリットを次のように説明しています。

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請負には労働基準法が適用されないものの

請負には労働基準法が適用されないものの

<請負契約のメリット・デメリット>

大手企業でも、雇用契約を請負契約に切り替える動きが見られます。

請負契約の場合、働く人のメリットとしては、細かい指図を受けずに伸び伸びと自由に働けること、自分の自由な時間で働けること、成果に応じた報酬が得られることなどがあります。

こうしたメリットに着目して、社員が請負契約への切り替えに同意するわけです。

しかし、雇用ではありませんから、労働基準法を始めとする労働法の保護の対象外となりますし、社会保険や労働保険も基本的には対象外となります。

また、年次有給休暇や産休・育休などもありません。

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