過労死等防止啓発月間 

過労死等防止啓発月間 

<過労死等防止啓発月間>

厚生労働省では、11月を「過労死等防止啓発月間」と定め、過労死等をなくすためにシンポジウムやキャンペーンなどの取組を行っています。

この月間は、「過労死等防止対策推進法」に基づくもので、過労死等を防止することの重要性について国民の自覚を促し、関心と理解を深めるため毎年11月に実施されています。

月間中は、国民への啓発を目的として、各都道府県で「過労死等防止対策推進シンポジウム」、「過重労働解消キャンペーン」として、長時間労働の削減や賃金不払残業の解消などに向けた重点的な監督指導やセミナーの開催、土曜日に過重労働等に関する相談を無料で受け付ける「過重労働解消相談ダイヤル」等が行われます。

ここで「過労死等」とは、業務における過重な負荷による脳血管疾患又は心臓疾患を原因とする死亡、もしくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患、心臓疾患、精神障害をいいます。

脳・心臓疾患の労災認定基準の改正

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転倒による労働災害を予防しましょう 

転倒による労働災害を予防しましょう 

<転倒予防の日>

10月10日は、日本転倒予防学会が制定する転倒予防の日です。

「テン、とお」の語呂合わせです。

職場での転倒災害は、休業4日以上のものに限っても、令和2(2020)年に30,929件と労働災害で最も多く、さらに増加傾向にあります。

転倒災害は、その約6割が休業1か月以上と重症化するものも多く、特に50代以上の女性で多く発生しています。

転倒予防は、政府の目指す女性や高齢者の活躍できる社会の実現のためにも、大変重要な課題です。

具体的な予防策としては、次のようなものが有効です。

<整理・整頓・清掃・清潔>

いわゆる4Sです。

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将来の老齢年金受給額を増やしたい社員 

将来の老齢年金受給額を増やしたい社員 

<従業員の心理>

給与明細書を見て「社会保険料が高い」と嘆いていた社員も、老齢年金の受給開始年齢が近づくと自分の受給予定額を知ることになり、「思ったよりも少ない」という感想を抱くことが多いものです。

さらに、将来の年金額を増やしたいと考える従業員も少なくありません。

このニーズに応える方法としては、次のようなものがあります。

<繰り下げ>

特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)を受給できる人を除き、老齢年金の受給開始年齢は原則として65歳です。

この受給開始時期を66歳以降に遅らせることによって、老齢年金の受給額を増やすことができます。

この場合、年金受給開始年齢は上がるわけです。

しかし紛らわしいことに、年金の「繰り下げ」と呼んでいます。

老齢年金の受給額は、繰り下げ1か月につき0.7%の増額となります。

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成長しないパート社員の雇止め 

成長しないパート社員の雇止め 

<成長しないパート社員>

複数のパート社員を雇用していると、自ずからその働きぶりに違いが出てきます。

パート社員にも人事考課制度があって、評価により昇給が異なる職場では、収入にも差が出てきます。

さらに、フルタイムや正社員への登用制度があれば、その差は歴然としてきます。

成長が遅く、後輩に追い抜かれているパート社員については、雇い続けることへの疑問が生じ、「契約の更新をやめて、別の人を新たに採用したほうが良いのではないか」と考えるようになるかもしれません。

<雇止めの有効要件>

契約を更新しないで雇止めするのは、解雇の一種ですから、解雇予告期間を置いたり解雇予告手当を支払ったりの必要があります。〔労働基準法第20条〕

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労働基準監督署の監督指導による賃金不払残業の是正結果(令和2年度) 

労働基準監督署の監督指導による賃金不払残業の是正結果(令和2年度) 

<是正結果の概要>

厚生労働省は、労働基準監督署が監督指導を行った結果、令和2(2021)年度に不払となっていた割増賃金が支払われたもののうち、支払額が1企業で合計100万円以上である事案を取りまとめ公表しました。

【監督指導による賃金不払残業の是正結果(令和2年度)】

1.是正企業数1,062企業(前年度比549企業の減)  うち、1,000 万円以上の割増賃金を支払ったのは、112企業(同49企業の減) 2.対象労働者数6万5,395人(同1万3,322人の減) 3.支払われた割増賃金合計額69億8,614万円(同28億5,454万円の減) 4.支払われた割増賃金の平均額は、1企業当たり658万円、労働者1人当たり11万円

<不正確な労働時間の把握の問題>

○立入調査(臨検監督)のきっかけ

「出勤の記録をせずに働いている者がいる。管理者である店長はこのことを黙認している。」との情報を基に、労基署が立入調査を実施。

○指導の内容

ICカードを用いた勤怠システムで退社の記録を行った後も労働を行っている者が監視カメラに記録されていた映像から確認され、賃金不払残業の疑いが認められたため、実態調査を行うよう指導。

○企業の一次対応

労働者の正確な労働時間について把握すべく実態調査を行い、不払となっていた割増賃金を支払。

○企業の改善策

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最低賃金の引上げ等に伴う不当なしわ寄せ防止 

最低賃金の引上げ等に伴う不当なしわ寄せ防止 

<最低賃金の引上げ>

最低賃金が年々引き上げられ、事業規模に関わらず、賃金上昇圧力が高まっています。

令和2(2020)年10月は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえて、たとえば東京都では1,013円に据え置かれましたが、令和3(2021)年10月は1,041円へと引上げが再開されています。

コロナ禍が終息しない中での最低賃金引上げは、中小企業を中心に大きな打撃となりかねません。

<不当なしわ寄せ防止に向けた普及啓発活動の拡充・強化>

公正取引委員会は、最低賃金の引上げにより、労務費等のコストが大幅に上昇した下請事業者から、単価の引上げを求められたにもかかわらず、親事業者が一方的に従来どおりに単価を据え置いて発注することは、下請法(下請代金支払遅延等防止法)上の「買いたたき」に該当するおそれがあると解釈しています。

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労働時間のグレーゾーン 

労働時間のグレーゾーン 

<労働時間の定義>

労働時間とは、「労働者が実際に労働に従事している時間だけでなく、労働者の行為が何らかの形で使用者の指揮命令下に置かれているものと評価される時間」と定義されます。

これは、会社ごとに就業規則で決まったり、個人ごとに労働契約で決まったりするのではなく、客観的に決められている定義です。

もっとも、これは法令に規定されているわけではなく、最高裁判所が判決の中で示したものですし、抽象的な表現に留まっていますので、具体的な事実に当てはめてみた場合には、判断に迷うことが多々あります。

会社の業務との関連性がある程度薄かったり、使用者の指揮命令関係から解放されていると断定できなかったりと、グレーゾーンにある時間帯が問題となります。

<業務の開始に必要な準備行為>

就業時間中に着用を義務づけられている制服や、特定の作業を行う場合に必ず着用することになっている作業服に着替える時間は労働時間です。

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障害者差別解消法改正に向けた準備 

障害者差別解消法改正に向けた準備 

<障害者差別解消法の改正>

国連の「障害者の権利に関する条約」の締結に向けた国内法制度の整備の一環として、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、平成25(2013)年6月、障害者差別解消法(正式名称:障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)が制定され、平成28(2016)年4月1日に施行されました。

そしてこの障害者差別解消法が、令和3(2021)年5月に改正され、同年6月4日に公布されました。

この日から起算して、3年を超えない日に施行されることになっています。

<改正による企業への影響>

改正前の障害者差別解消法でも、障害を理由とする不当な差別的取扱については、行政にも民間企業にも禁止していました。

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休職明けの年次有給休暇取得義務 

休職明けの年次有給休暇取得義務 

<年5日の年次有給休暇の確実な取得>

年次有給休暇は、働く人の心身のリフレッシュを図ることを目的として、原則として、労働者が請求する時季に与えることとされています。

しかし、同僚への気兼ねや請求することへのためらい等の理由から、取得率が50%前後と低調な現状にあり、年次有給休暇の取得促進が課題となっています。

このため労働基準法が改正され、平成31(2021)年4月から、すべての企業で、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者(管理監督者を含む)に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、使用者が時季を指定して取得させることが義務付けられました。

<取得義務の例外>

休職中は労働義務がありません。

労働義務が無い日について、年次有給休暇を取得する余地はありませんから、休職期間に年次有給休暇を取得することはできません。

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DV被害者の遺族年金 

DV被害者の遺族年金 

<DV被害者の生計同一認定要件>

配偶者からの暴力の被害者の場合、暴力を避けるために一時的な別居が必要になる場合があります。

こうした状況下で、加害配偶者が死亡した場合には、一般的な基準で遺族年金等の生計同一認定要件を判断したのでは、妥当性を欠くことになります。

そこで、具体的な事情を踏まえた判断基準が適用されることとなっています。

この判断基準は改定が重ねられていますが、令和3(2021)年10月1日からの新基準では、次のようになっています。

1.被保険者(加害配偶者)等の死亡時において、以下のAからEまでのいずれかに該当するために被保険者等と住民票上の住所を異にしている者については、DV被害者であるという事情を勘案して、被保険者等の死亡時という一時点の事情のみならず、別居期間の長短、別居の原因やその解消の可能性、経済的な援助の有無や定期的な音信・訪問の有無等を総合的に考慮して、遺族年金の受給権者に該当するかどうかを判断します。

A 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)に基づき裁判所が行う保護命令に係るDV被害者であること。

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