令和4年度の労災補償運営方針

令和4年度の労災補償運営方針

<通達の発出>

令和4(2022)年2月15日、厚生労働省大臣官房審議官(労災、建設・自動車運送分野担当)から都道府県労働局長に宛てて、令和4年度の労災補償業務の運営に当たって留意すべき事項についての通達が発出されました(労災発0215第1号)。

この通達の中で、令和4年度においては、次の事項に留意し労災補償行政を推進する方針であることが明らかにされています。

1.新型コロナウイルス感染症等への迅速・的確な対応

2.過労死等事案などの的確な労災認定

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小売業、介護施設を中心とする行動災害の予防対策の推進

小売業、介護施設を中心とする行動災害の予防対策の推進

<基安発0209第1号通達>

令和4(2022)年2月9日、厚生労働省労働基準局安全衛生部長より都道府県労働局長に宛てて、小売業と介護施設等を中心に増加する転倒や腰痛による労働災害を予防する取組を推進するため、令和4年度より労働局において実施する事項に関する通達を発出しました。

<通達発出の背景>

令和4(2022)年1月時点(速報値)における死傷者数(新型コロナウイルス感染症の罹患による労働災害を除く)は、小売業と介護施設を中心に増加し、全体では平成29(2017)年同期比で9.0%の増加となっています。

事故の型別でみると、「転倒」及び腰痛等の「動作の反動・無理な動作」など、職場での労働者の作業行動を起因とする労働災害(行動災害)が増加しており、中には後遺障害を伴う重篤な災害も発生しています。

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有期雇用労働者の社会保険早期加入措置(令和4年10月)

有期雇用労働者の社会保険早期加入措置(令和4年10月)

<現状の問題点>

現在、厚生年金保険法と健康保険法では、「二月以内の期間を定めて使用される者」(引き続き使用されるに至った場合を除く)が適用除外となっています。

ただし、2か月以内の雇用契約であっても、これを継続反復しているような場合には、「引き続き使用されるに至った場合」として、厚生年金保険と健康保険の対象としています。

それでも、雇入れ時の最初の雇用契約の期間は適用の対象となっていないため、雇用の実態に即した適切な適用が図られているとはいえません。

これは、雇用保険法第6条第2号が、雇用保険の適用除外者として「同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用されることが見込まれない者」と規定していることとも整合性がとれていません。

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老齢年金受給開始時期の選択肢の拡大(令和4年4月、令和5年4月)

老齢年金受給開始時期の選択肢の拡大(令和4年4月、令和5年4月)

<現在のしくみ>

老齢基礎年金・老齢厚生年金の受給開始時期は、原則として、個人が60歳から70歳の間で自由に選ぶことができます。

繰上げ受給(65歳より早く受給開始)の場合、年金額は減額されます(1月あたりマイナス0.5%、最大5年でマイナス30%)。

繰下げ受給(65歳より後に受給開始)の場合、年金額は増額されます(1月あたりプラス0.7%、最大5年でプラス42%)。

そしてこの減額・増額は、一生涯続くことになります。

なお、繰下げについては、66歳到達以降に選択することができます。

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在職老齢年金の見直し(令和4年4月)

在職老齢年金の見直し(令和4年4月)

<在職定時改定の導入>

現在、老齢厚生年金の受給権を取得した後に就労し、厚生年金に加入している場合は、資格喪失時(退職時・70歳到達時)に、受給権取得後の加入者(被保険者)であった期間を加えて、老齢厚生年金の額が改定されています(いわゆる退職改定)。

この場合、厚生年金保険料を支払いながら働いている間は、老齢厚生年金の支給額が増えず、退職後に増える形になります。

高齢期の就労が拡大する中、就労を継続したことの効果を退職を待たずに早期に年金額に反映することで、年金を受給しながら働く在職受給権者の経済基盤の充実を図ることを目的として、65歳以上の人については、在職中であっても、年金額の改定が定時に行われることとなります(毎年1回、10月分から)。

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産後1年以内の解雇

産後1年以内の解雇

<法律の規定>

女性が仕事と育児を両立できるよう、法律には次の規定があります。

・産前産後休業中とその後30日間は解雇禁止。〔労働基準法第19条第1項〕

・妊娠中と産後1年以内の妊娠・出産・産休取得を理由とした解雇は無効。〔男女雇用機会均等法第9条第4項

・妊娠・出産などを理由とする不利益な取扱は禁止。〔男女雇用機会均等法第9条第3項〕

・産前・産後休業、育児休業などの申出や取得を理由とした解雇その他不利益な取扱は禁止。〔育児・介護休業法第10条〕

労働法の代表格である労働基準法の規定だけを見て、「産休終了後30日経過すれば解雇できる」と即断するのは、全くの誤りであることが分かります。

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船員の働き方改革

船員の働き方改革

<法改正の動き>

一般の労働者については、厚生労働省が中心となって働き方改革の推進を図っています。

船員の場合には、一般の労働者と異なる特殊性が多く見られることから、国土交通省が中心となり働き方改革が推進されようとしています。

令和3(2021)年5月に公布された「海事産業強化法」に基づき、船員法、船員職業安定法、内航海運業法が改正され、令和4(2022)年4月1日から施行されます。

これに伴い、国土交通省海事局船員政策課が「船員モデル就業規則」を策定し公開しました。

船員を雇っていない企業にとっても、国土交通省による説明や「船員モデル就業規則」は大変参考となる内容です。

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ワクチン接種を採用条件とすることの問題点

ワクチン接種を採用条件とすることの問題点

<法令の規定>

法律上は「予防接種を受けるよう努めなければならない」と定められています。〔予防接種法第9条第1項〕

つまり、ワクチン接種を受けることは「努力義務」とされています。

接種を受けるかどうかは、個人の自由意思に任されているのであって、国や企業が強制できないことは明らかです。

<厚生労働省の指導>

厚生労働省の新型コロナワクチンQ&Aは、「新型コロナワクチンの接種を望まない場合、受けなくてもよいですか」という問いに対して、次のように回答しています。

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くるみん認定基準の改正(令和4年4月)

くるみん認定基準の改正(令和4年4月)

<くるみん>

くるみんマーク・プラチナくるみんマークは、「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定を受けた証です。

次世代育成支援対策推進法に基づき、一般事業主行動計画を策定した企業のうち、計画に定めた目標を達成し、一定の基準を満たした企業は、申請を行うことによって「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受けることができます。

この認定を受けた企業の証が、「くるみんマーク」です。

さらに、平成27(2015)年4月1日より、くるみん認定を既に受け、相当程度両立支援の制度の導入や利用が進み、高い水準の取組を行っている企業を評価しつつ、継続的な取組を促進するため、新たにプラチナくるみん認定が始まりました。

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不当労働行為の内容を再確認しましょう

不当労働行為の内容を再確認しましょう

<労働組合>

労働組合とは、労働者が主体となって、自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体およびその連合団体をいいます。

労働組合を結成する権利は、憲法で保障されています。〔日本国憲法第28条〕

労働組合の推定組織率は低迷していて、過去5年間を見ても17%前後で推移しています。

ここで推定組織率とは、雇用者数に占める労働組合員数の割合をいいます。

しかし、労働組合員数は年増加率1%未満で微増の傾向にあります。

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