東京労働局による長時間労働の監督指導結果(令和3年度)

東京労働局による長時間労働の監督指導結果(令和3年度)

<監督指導結果の公表>

東京労働局は、令和4(2022)年10月28日に、長時間労働が疑われる事業場に対して労働基準監督署が実施した、監督指導の結果を取りまとめ公表しました。

この監督指導は、各種情報から時間外・休日労働時間数が1か月当たり80時間を超えていると考えられる事業場や、長時間にわたる過重な労働による過労死等についての労災請求が行われた事業場を対象としています。

この中で、指導結果のポイントが次のように示されています。

【令和3年4月から令和4年3月までの監督指導結果のポイント】

監督指導の実施事業場: 3,458 事業場 二、主な違反内容 [一、のうち法令違反があり「是正勧告書」を交付した事業場] 1 違法な時間外労働があったもの: 1,325 事業場(38.3%) うち、時間外・休日労働の実績が最も長い労働者の時間数が 月 80 時間を超えるもの: 471 事業場(35.5%) うち、月 100 時間を超えるもの: 323 事業場(24.4%) うち、月 150 時間を超えるもの: 80 事業場( 6.0%) うち、月 200 時間を超えるもの: 28 事業場( 2.1%) 2 賃金不払残業があったもの: 358 事業場(10.4%) 3 過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの: 840 事業場(24.3%) 三、 主な健康障害防止に関する指導の状況 [一、のうち健康障害防止のため「指導票」を交付した事業場] 1 過重労働による健康障害防止措置が 不十分なため改善を指導したもの: 1,669 事業場(48.3%) 2 労働時間の把握が不適正なため指導したもの: 830 事業場(24.0%)
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新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえた自殺防止対策の推進

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえた自殺防止対策の推進

<自殺総合対策大綱>

令和4(2022)年10月14日、政府は自殺対策の指針として新たな「自殺総合対策大綱~誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して~」を閣議決定しました。

自殺総合対策大綱は、平成18(2006)年に成立した自殺対策基本法に基づき、政府が推進すべき自殺対策の指針として定めるものです。

この中で、これまでの取り組みの成果と、近年の傾向について、次のように述べられています。

平成18(2006)年と令和元(2019)年の自殺者数を比較すると、男性は38%、女性は35%減少しており、これまでの取り組みに一定の成果があったと考えられます。 一方で、依然として自殺者は年間2万人を超える水準で推移しており、コロナ禍で女性は2年連続の増加、小中高生は過去最多の水準になるなど、今後対応すべき新たな課題も顕在化してきました。
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長時間労働を行っていた事業場の是正事例

長時間労働を行っていた事業場の是正事例

<令和4年版 過労死等防止対策白書>

令和4(2022)年10月21日、政府が過労死等防止対策推進法に基づき、「令和3年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況」(令和4年版 過労死等防止対策白書)を閣議決定しました。

この中で、長時間労働を行っていた事業場の是正事例が、建設業と製造業で1件ずつ紹介されています。

参考のため、会社が実施した改善策について、引用させていただきます。

<建設業の事例>

1.労働時間管理方法の見直し

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解雇予告の誤解によるトラブル

解雇予告の誤解によるトラブル

<解雇予告の効果>

労働基準法は、解雇の予告について、「使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない」と規定しています。〔労働基準法第20条第1項本文〕

つまり、使用者は労働者に対して、解雇の30日以上前に予告をしておけば、解雇予告手当を支払わなくても済むということです。

たとえば労働者に対して「12月末日をもってあなたを解雇します」と11月20日に使用者が予告した場合には、解雇の効力が発生し労働契約が終了するのは、11月20日ではなく12月末日です。

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保険証交付前の受診

保険証交付前の受診

<保険証交付前の受診>

転職などにより、新たに健康保険に加入したとき、保険証が交付される前に医療機関で受診したいことがあります。

こうした場合には、被保険者本人だけでなく扶養家族(被扶養者)についても、「健康保険被保険者資格証明書」の交付を受けて、保険証の代わりに医療機関に提示することによって保険診療を受けることができます。

全国健康保険協会(協会けんぽ)の場合については、日本年金機構のホームページに次のような説明があります。

<手続きの方法>

事業主または被保険者本人が「健康保険被保険者資格証明書交付申請書」を事業所の所在地を管轄する年金事務所の窓口に提出します。

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通勤経路の不正

通勤経路の不正

<住所の不正>

従業員は、入社にあたって、会社に住所を届け出ます。

この時点で、実際の住所と住民票上の住所が異なっていることがあります。

この場合、速やかに住民票を移して、正しい住所を届け出れば良いのですが、住民票を移さずに、住民票上の住所を現住所として届け出ることがあります。

また、入社時に届け出た住所から転居しても、住民票を移さずに、住所変更の届け出を怠ることもあります。

これらの場合には、住所が不正ですから、多くの場合、通勤手当の不正受給が発生します。

それだけでなく、健康保険や厚生年金保険の住所も不正となりますし、住民税の支払いや選挙権の行使についても不正が発生してしまいます。

<通勤手当の不正受給>

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副業・兼業さらに推進

副業・兼業さらに推進

<ガイドラインの改定>

「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が改定されています。

その中で、副業・兼業の促進について、次のように述べられています。

人生100年時代を迎え、若いうちから、自らの希望する働き方を選べる環境を作っていくことが必要であり、副業・兼業などの多様な働き方への期待が高まっています。 副業・兼業は、新たな技術の開発、オープンイノベーション、起業の手段や第2の人生の準備として有効とされており、「働き方改革実行計画」において、副業・兼業の普及を図るという方向性が示されています。 一方、同計画においては、副業・兼業の普及が長時間労働を招いては本末転倒であることも示されており、副業・兼業を行うことで、長時間労働になり労働者の健康が阻害されないよう、過重労働を防止することや健康確保を図ることが重要です。 「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は、副業・兼業の場合における労働時間管理や健康管理等について示したものですので、企業も働く方も安心して副業・兼業に取り組むことができるよう、副業・兼業を進めるにあたって本パンフレットをご活用ください。

<政府による副業・兼業の促進>

それにしても、政府が副業・兼業を促進するのは何故なのでしょうか。

副業・兼業は、新たな技術の開発、オープンイノベーションや起業の手段、そして第2の人生準備として有効とされています。

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入社から14日以内に解雇する場合の理由

入社から14日以内に解雇する場合の理由

<法令の規定>

入社から14日以内であれば、解雇予告期間も解雇予告手当の支払いもなく、解雇することができます。〔労働基準法第21条第4号〕

しかし、その解雇に客観的に合理的な理由がなかったり、社会通念上相当といえなかったりした場合には、解雇権の濫用となり解雇が無効とされるのは、入社後15日以上経過してからの解雇と同様です。〔労働契約法第16条〕

<人材要件の確認が不十分な場合>

求人広告や求人票などに、採用条件として「パソコンが使える方」と書いてあったとします。

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学習性無力感

学習性無力感

<学習性無力感>

「学習性無力感」というのは、もともと心理学で「抵抗したり回避したりすることができないストレス下に置かれているうちに、そのストレスから逃れようとする行動を起こさなくなってしまう現象のこと」を言っていました。

今では、「自分の行動から期待する結果が得られないことを、何度も経験するうちに、何をしても無意味だと思うようになってしまい、たとえ結果が期待できる場面でも積極的に行動を起こさなくなってしまった状態」のことについても言われます。

<個人の学習性無力感>

職場で、ある従業員のやる気が見られない、向上心が感じられないということがあります。

職場では、たびたびストレスに直面しても、精神的に充実しているうちは、このストレスを乗り越えようと抵抗を示します。

しかし、ストレスに抵抗してみても、乗り越えることができなければ、さらに大きなストレスを感じることになります。

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部下からのパワハラ

部下からのパワハラ

<職場におけるパワーハラスメント>

職場におけるパワーハラスメントは、以下の3つの要素をすべて満たすものとされています。

【パワハラの3要素】

1.優越的な関係を背景とした

2.業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により

3.就業環境を害すること(身体的若しくは精神的な苦痛を与えること)

<優越的な関係の意味>

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